障害者差別根絶へ、政府が行動計画案 旧優生保護法の違憲判決受け
障害のある人たちに不妊手術を強いた旧優生保護法(1948~96年、旧法)を違憲とした最高裁判決を受け、政府が偏見や差別の根絶をめざし、共生社会の実現に向けた行動計画案をとりまとめたことがわかった。出産や子育てなど、障害のある人が希望する生活を実現できるよう、支援を強化する。政府は近く対策推進本部を開き、行動計画を決定する。 【写真】16歳に戻りたい「手術でなく支援があれば」 相談会で出会った因縁 今年7月の最高裁判決を受け、政府は全閣僚による対策推進本部を立ち上げた。岸田文雄首相(当時)は、障害のある人が希望する生活の実現に向けた支援の推進や、各省庁で行う研修や啓発の点検などを指示。これまで、旧法の訴訟の原告や様々な障害のある人からヒアリングをしてきた。 ヒアリングでは「結婚、出産、子育てをするうえで、相談窓口や第三者の支援が必要」「(旧法下での)手術にかかわる事実や背景を伝承すべきだ」といった意見が出た。 行動計画案には、結婚、出産、子育て支援の事例をまとめて周知することや、こども家庭センターでの相談対応などを、取り組むべき事項として盛り込んだ。公務員の幹部職員を対象に、障害当事者が講師となる研修の実施▽旧法の検証を踏まえた人権教育の教材の作成――なども挙げた。(川野由起)
朝日新聞社