子どもの進路は「医学部」志望。先日「私立も志望校に入れたい」と相談されましたが、家計的に厳しいです。国公立より学費が高いイメージですが、実際どれくらい必要なのでしょうか?
子どもが高校や大学に進学するにつれて「教育費の負担が増えるので大変」と感じる人も多いのではないでしょうか? 子どもの希望進路を尊重したい一方で、「もしこの学校に入ったらどのくらいお金がかかるのか」気になることもあるでしょう。 本記事では、医学部を目指す子どもが「私立も志望校に入れて進路を検討していいか」というケースを想定します。私立大学の医学部は国公立に比べて学費が高いイメージもありますが、実際に6年間通うことになれば、どのくらいかかるのでしょうか。 学費といってもさまざまな項目がありますが、今回は主に「入学金、授業料、実習費など」を考えてみましょう。これら以外にも、例えば国公立も私立も検定料(受験料)がかかります。国公立大学は1万7000円程度、私立大学は3万円前後かかるとされますが、具体的な金額は大学によって変わることもあります。 ▼「大学無償化制度」の対象者とは? 年収要件や注意点を解説
国公立大学の場合、学費はいくらかかる?
国立大学の学費は、「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」によって規定されており、初年度は授業料だけでなく入学金も納付しなければなりません。 学部生の授業料年額は53万5800円、入学金は28万2000円で合計81万7800円となります。2年目以降は入学金がかからないため、年間の学費は53万5800円です。もし国立大学の医学部に通うことになれば、6年間で総額349万6800円かかります。 公立大学も国立大学と同規模のケースが多いですが、大学によっては入学金が地域内と地域外で分けられており、地域外在住が高額となることもあります。 例えば、京都府立医科大学医学科の場合、京都府内在住者は28万2000円ですが、京都府外在住だと49万3000円かかります。それ以外にも「学外実習費用等」として12万円を入学時に納付する必要があります。このように、大学によって具体的な金額は異なる可能性があるので要注意です。
私立大学の場合、学費はいくらかかる?
私立大学は、国公立大学に比べると学費は高くなる傾向があります。例えば、慶應義塾大学の入学金や授業料、施設設備費などを含めた初年度納付金合計額は390万3350円、2年目以降は370万3250円となっています。 文部科学省が公表している、2023年度の私立大学入学者に係る初年度学生納付金等平均額によると、医学部は507万9434円です。仮に年間平均450万円かかる場合、6年間で2700万円程度となります。国立大学の場合は約350万円のため、2400万円近く差があることが分かります。