国民民主の減税案、実現なら自治体に打撃か「地方税収4兆円減」試算
国民民主党が掲げる減税案について、村上誠一郎総務相は5日の閣議後会見で、地方税の減収が4兆円にのぼるとの試算を明らかにした。国と地方を合わせた減収分7兆~8兆円のうち過半を占め、地方への影響がより大きいとみられる。 【写真】地方財政への影響について試算を公表した村上誠一郎総務相=東京・霞が関の総務省 国民民主の減税案は、税金がかからない枠を引き上げるというもの。国に納める所得税なら年収103万円までは課税されず、それを178万円にすると訴えている。玉木雄一郎代表の主張には、地方自治体に納める住民税の減税も含まれている。総務省は住民税が非課税になる枠も75万円引き上げて、118万円にすると仮定。村上総務相は会見で「機械的に計算すれば、地方の個人住民税だけで4兆円程度の減収と見込まれる」とした。 高所得者ほど税率が高くなる所得税と異なり、住民税(所得割)の税率は一律10%。非課税枠が75万円広がった場合、年収118万円より多い人は、単純計算で年7万5千円ほどの減税になる。ただ住民税は40兆円超規模の地方税収のうち、約3割を占める最大の税目にあたる。大幅減収は、ただでさえ厳しい地方の財政を直撃しかねず、住民サービスの質の低下につながる懸念もある。
朝日新聞社