クックパッドが悪いのか、ハチミツ離乳食レシピ問題が投げた教訓とは
ハチミツの入った離乳食を与えた生後6カ月の乳児が乳児ボツリヌス症という食中毒によって死亡したというニュースをきっかけに、ハチミツを使った離乳食をはじめ食中毒のリスクが高い料理レシピが数多く投稿されていたレシピ投稿サイト「クックパッド」に批判が高まっています。今回は、この問題が私たちのインターネット活用にどのような教訓を投げかけているのかについて考えます。
個人による投稿に信ぴょう性や正確性はあるのか
多くのユーザーがネット上の情報検索で活用している「クックパッド」「食べログ」「トリップアドバイザー」をはじめとする情報投稿サイト、「Yahoo!知恵袋」や「OKWave」をはじめとするQ&Aサイト、そして「Amebaブログ」に代表されるブログサービス。こうしたウェブサイトは、ユーザー投稿サイト「User Genarated Contents(UGC)」と呼ばれています。サイトに掲載されている情報を作り出しているのはユーザー個人であり、UGCはユーザーの知恵やノウハウを多くの人々が共有できる手段として発展してきました。今や、多くの人の知識の集合体である「集合知」として確固たる地位を形成しています。 しかし、留意すべき点は、大前提としてこうしたサイトの発信者はあくまで個人(一部のコンテンツは運営者や企業が発信する場合もある)であり、企業が情報の正確性や信ぴょう性を十分に確認して内容に対して責任をもって発信するウェブメディアとは大きく異なるという点です。もちろん、UGCに投稿するユーザー個人が自らその正確性をチェックして投稿している場合もあり、その投稿が多くの人の役に立つものであるから、UGCはここまで発展してきたことは言うまでもありません。 ただ、ユーザー個人が発信する情報には、誤っているものもあれば個人の主観や感覚で作られていて客観的な検証ができないものも含まれている可能性があります。UGCに掲載されている情報にはこうした「不安定さ」を抱えているものだということを十分に留意する必要があると言えるでしょう。