クックパッドが悪いのか、ハチミツ離乳食レシピ問題が投げた教訓とは
「クックパッド」の運営会社は、これまでも投稿されたレシピのチェックや食の安全に関する注意喚起を行ってきたとしており、今回の批判を受けてそれらを強化するとしています。しかし、実際のところ2016年12月時点で258万件(決算資料に基づく)という膨大な量が投稿されるレシピについて、ひとつひとつの安全性を専門家の知見を基に細かく検証するというのは、物理的に不可能に近いと言わざるを得ないのではないでしょうか。 UGCは「あくまでユーザー個人が投稿したもの(だから情報の信頼性は保証されない)だということを理解した上で利用するもの」という暗黙の了解で成り立っているものであり、運営会社はその内容に対して責任を負わないのが一般的です。クックパッドでも、利用規約の第13条では「利用者(筆者注:投稿者、閲覧者)は、利用者自身の自己責任において本サービスを利用するものとし、本サービスを利用してなされた一切の行為およびその結果についてその責任を負う」としています。UGCを活用するユーザーは、こうしたサービスの特徴を理解した上で、投稿されている内容に気になる点があったら無批判に受け入れないよう注意すべきだと言えるでしょう。 加えて、いまインターネットは企業のウェブメディアが十分な検証を経て発信する信ぴょう性の高い情報と、個人が十分な検証をしないで発信している信ぴょう性の不安定な情報が混然一体となっているという現実を理解しなければなりません。 私たちは、Googleの検索でヒットした情報について「すべてが正しい情報のはずだ」と無意識に受け入れているのではないでしょうか。しかし、私たちが利用するインターネットに溢れている情報は信頼性の高い/低いが曖昧であり、既に価値のない古い情報も眠っており、個人の偏った意見や誤った情報も存在しています。こうした「カオス」を踏まえて、私たちはネット上で発信されている情報を受け入れる前に「本当にそうなのか」という視点を持つことが重要なのではないでしょうか。