【青木さやかさん(51)】がんを患ってはじめて気づけたこととは|STORY
医学の進歩によって多くの病に治療法がある現代。しかし、どんな治療法を用いても恐怖や不安を消すことはできません。そうした不安と向き合いながらも、自分らしい生き方を探し続け、前を向いて歩み続ける女性たちがいます。今回は、タレント・青木さやかさんのSTORYをご紹介します。 【画像】がんになって変わった、青木さやかさんの当時と今 ◆タレント 青木さやかさん・51歳・東京都在住
病気になってよかった。でなければ、変わる努力をしようと思わなかったから
青木さやかさんが、肺腺がんと診断されたのは、’17年5月。「人間ドックで影が見つかったのが’14年で、3年間、経過観察していましたし、両親ともがんを患っているので、私にも可能性はあると思ってはいました。でも、診断を聞くとやはりショックで…。生活の中から色が消えたような感覚に襲われました」。 そのあとすぐに舞台の仕事が決まっていたため、子どもの預け先を手配し、執刀医を決め、手術を受けたのはその年の秋。退院後まもなく仕事に復帰しました。「当時闘病中だった母に知らせたくなかったので、公表はしませんでした。それに、『あの人、がんらしいよ、やばいよね』という会話って、日常で意外と耳にするんです。自分がそう噂されたり、過度に心配されたりするのは避けたいという気持ちもありました」。 ところが、1年後には、また肺に影が見つかり、再度手術を受けることに(結果は良性でした)。 最初にがんの診断を受けたとき、「『死にますか?』と医師に尋ねたら、『これじゃ死ねないね』とおっしゃったんです。そのとき、死ねない、つまり、この先も生きていかねばならないんだ、と強く自覚しました。病気は、生き方を見直すきっかけになったように思います」。 まずは、適切な広さの家に住み替えて家賃負担を減らし、保険を含め、経済的な見直しをしました。また、「一瞬でも死がよぎったときに、今まで、理由はあったにせよ、多くの人を傷つけてきた。謝りたいと思ったんです。でも、今更謝られても困りますよね。だから、これからは、同じことは繰り返すまいと思ったんです。そこで、それまでうまくいっていなかった母とも仲直りしました」。 さらに、友人に教えてもらった“八道”を実践し始めました。「ノートに書き、毎日読んで心に刻みました。3年続けたら、空でスラスラ唱えられるようになり、5年続けたら、『あ、今、これ破ってしまった』とすぐ気づいて、反省して切り替えられるようになりました。すると、自分自身を信用して認めることができるようになり、他人との揉めごとを、自分から起こすことがなくなりました」。さらに、食生活や生活リズムの改善にも努めています。