最終局面の中学受験「気高き12歳に満開の桜を!」 無鉄砲な突撃は危険! “終了組”からのアドバイスとは?
「いくら成長の糧だと言われても、息子がフラれるところを見たくはなかった」と目に涙を溜めて憤る母を癒やしたのは、次男が通い始めた地元密着型の中学受験塾の先生の言葉でした。 自身が中学受験を経験し、娘が受ける最難関女子校の過去問もぜんぶ自分で解いて解説できたという母親は、自分の強みの中にある弱点に気づいたと、反省の弁を述べました。発言の一部を、拙著より抜粋します。 「6年生の12月くらいに戻って『あなた自身が肩の力を抜いて、リラックスしなさい』って声をかけます。私が完璧主義すぎてきっちりいろんなことに取り組みすぎたその緊張感が娘に伝わりすぎた。
模試のたびにおやつの練習として、今日はどら焼きを入れてみた、今日はキットカットを入れてみた、『以上の結果から本番はこれにします』みたいな。そういうことをやるのが好きでたまらないんですね、私は。だから、張り切りすぎた。緊張じゃないですね。張り切りすぎた、私が。 『なるようになるさ』って私は思えない性格だから思わないと思うんだけど、そう思う努力をしてもよかったかなみたいな。難しいですよね。性格の違う母と子が手を組んだから」
■「大学受験への通過点」みたいなちっぽけな話ではない 拙著『母たちの中学受験』では6人の母親に入試直前期から入試終了後までの心境を振り返ってもらいました。終了組が経験した中学受験の最終局面でのさまざまな困難を中学受験生の親御さんが知って自分なりのシミュレーションをしておくことには、中学受験生が過去問を解くのと同じような価値があります。 さらに、中学受験を終えて数年が経った多数の親御さんたちにも「その後」について聞きました。以下は拙著のなかでは紹介しきれなかった「証言」です。
「塾に通い始めてから、勉強時間と休憩時間を決めて勉強させてきました。これが本人の習慣になったようで、中学に入ってからも、決めた時間が来たらきちんと自分から勉強してくれるので、そこは本当に良かったと思うところです」 「親も子も心身ともにボロボロになるのが中学受験。なんのために受験させるのかということを、なんども確認し、全員で共有することが大切だと思います。幸いわが家は、結果よりも過程に重きを置くことを全員で共有できたため良い経験として終えられました」