Chrome使いこなせてる?タブ管理や“マルチモニター化”の活用で作業効率アップ!
最もポピュラーなWebブラウザの1つである「Google Chrome」は、快適なWebブラウジングをサポートする機能だけでなく、Webブラウザの枠を超えた高度な機能まで備えている。それらをフルに使いこなすことができれば、さらなる生産性アップが望めるかもしれない。今回はそんなChromeの便利機能10個を紹介しよう。 【画像】大量に並んだタブ ■ 【その1】タブを固定して1箇所にまとめる 今やWebブラウザの標準機能となったタブ。複数のWebページを簡単に切り替えて閲覧できるようにするものだ。ただ、新しいタブでWebページをどんどん開いていってしまうと、重要なWebページがどこにいったのか分かりにくくなってしまうことがある。 そこで使いたいのが、タブを固定する機能。タブの右クリックメニューから「固定」を選ぶと、タブが一番左側に寄せられ、そこに固定された状態になる(固定したタブ同士の位置入れ替えはできるが、固定していないタブは割り込めない)。メールやスケジューラー、会社のイントラネットなど、業務で必須のWebツールを固定しておけば、左側にまとまるので見つけやすく、咄嗟の切り替えもしやすいだろう。 ■ 【その2】タブをグループ化してコンパクトに 調べ物をしていると、いつの間にかタブが大量に増えてしまい、Webブラウザの最上部がタブであふれがち。でも、単なる情報収集用なので「固定」したり、ブックマークに登録したりするほどでもない。後で何度か参照するだろうから閉じたくもない……。なんてときに活躍するのが、タブをグループ化する機能だ。 たとえばAI関連のいろいろなツール、仕事の資料作成に役立つ情報ページ、プログラミングのテクニック集やリファレンスなど、ジャンルや目的ごとにグループ化することが考えられる。 グループ化したものは開閉でき、閉じておけばタブのサイズはたった1つ分の幅しか占有しない。分かりやすいグループ名や色を付けて管理できるので、「AIツール」「仕事資料」「プログラミング」のように分類すれば必要な情報にすばやくアクセス可能だ。 ■ 【その3】タブグループを保存していつでも呼び出せるようにする 最新バージョンのChromeでは、グループの作成時に自動でその設定が保存されるようになった。 そのため、ブックマークと同じようGoogleアカウントによる同期対象となるので、新しいPC環境に移行するときや、ほかのPCでも同じグループを使いたいようなときに、Googleアカウントでログインするだけでタブグループを復元できるのだ。 保存されたタブグループは、ブックマーク バーの左側に並ぶ形になる。表示されない場合は、設定の「デザイン」にある「ブックマークバーにタブグループを表示する」と「他のデバイスで作成した新しいタブグループをブックマーク バーに自動的に固定する」の2つを有効にしておこう。 作成したタブグループはここからすばやく呼び出すことができ、グループ名を右クリックした場合は、そのグループに含まれる個別のページを一覧して1つのページだけを開くことも可能。Chromeで常に開いているタブが増えてきても、このようにタブグループにしておけばすっきりとした状態で使えるだろう。 ■ 【その4】タブをキャストして“マルチモニター化” タブで開いているWebページの内容は、「キャスト」することでほかのデバイスに映し出すことができる。対応するキャストデバイスは、主にGoogleのスマートディスプレイやタブレット、Chromecastシリーズ。これが便利なのは、ワイヤレスでマルチモニター風に活用できるところだ。 PCで見ているそのままの状態でほかのデバイスに表示できるので(YouTubeなど一部のWebサイトは専用のUIでキャストされることがある)、1画面増えるのと同じような感覚。タブごとに複数のデバイスへ同時キャストすることも可能だし、タブだけでなくWebブラウザ外を含めたデスクトップ全体をキャストするのもOKだ。 用途として考えられるのは、チャットサービスやSNSのタイムライン、ニュースの速報サイトを常時チェックする、など。システムの死活監視にも役立ちそうだ。対応デバイスを所有しているなら、ぜひ試してみてほしい。 ■ 【その5】よく使うWebサイトをアプリとしてインストール 普段からよく使うWebサイトやWebサービスは、アプリ化してしまうのも手だ。アプリ化したいWebサイトにアクセスし、アドレスバーの右端に現れるアイコン、もしくはChromeのメニューから、「ページをアプリとしてインストール」すればアプリ化が完了する。 アプリ化したものは、デスクトップやスタートメニュー、タスクバーなどに作成されたショートカットから起動して、すばやくそのWebサイトにアクセス可能。必要最小限の機能しかないシンプルなウィンドウで開かれるので、PCのリソース消費が少なく済み、Webサイトによっては便利な付加機能が使える場合もある。 ■ 【その6】画像検索が簡単になる「Google レンズで検索」 サーチエンジンを使ったWeb検索では、テキスト入力だけでなく、画像入力も当たり前になってきた。それをもっと手軽にできるようにするのが、Chromeに内蔵された「Google レンズで検索」機能だ。 メニューから「Google レンズで検索」を起動し、閲覧中のWebページの任意の箇所を矩形で範囲指定すると、その範囲内を画像とみなした上でGoogleの画像検索が実行される。同じと思われるもの、もしくは似ているものや関連しているものが検索結果として表示される仕組みだ。 ウィンドウの右側に検索結果が現れるので、コンテンツの閲覧が妨げられないのもいいところ。Webページ内の画像はもちろん、再生中の動画に映し出されたものも範囲指定できるため、気になる商品を見かけたときに活用すれば、その商品が安く買えるサイトを見つけたり、類似商品を比較したりするのに便利。社内資料で使う画像を探すときにも活躍するだろう。 ■ 【その7】「Chrome リモート デスクトップ」で外からアクセス 外出先から、自宅や職場のPCにしかないデータを参照したくなることがあるかもしれない。そういう場面が想定されるなら「Chrome リモート デスクトップ」をあらかじめ有効にしておこう。 Chrome リモート デスクトップは、PCなどから、離れたところにある別のPCのデスクトップにアクセスできるようにする機能。専用ツールを別途インストールして機能を有効にしておくことで、いつでもPCのデスクトップを覗き、操作できる。 遠くに住む家族や両親のPCで設定しておけば、操作の仕方を教えてほしい、とヘルプを求められたときに、遠隔からそれをサポートしたりもできる。見知らぬ人が相手の場合はむやみに利用しない、というのは大前提として、いざというときにはきっと役に立ってくれる機能だ。 ■ 【その8】メモリ容量の少ないPCも「メモリセーバー」で快適に Chromeはメモリ消費が激しい、と言われていた時代もあったが、最近はそうした点もある程度改善されてきている。なぜなら「メモリセーバー」と呼ばれる機能が追加されたからだ。開いたタブから離れて一定時間が経過すると、個別に「非アクティブ」状態にしてメモリを節約する仕組みになっている。 メモリセーバーの動作は設定画面の「パフォーマンス」で調整できる。「適度」「バランス重視」「最大」の3段階から選択でき、それぞれでタブを非アクティブにするまでの時間が異なる。メモリ容量が少ないPCを使っている場合は「最大」に設定することで、PC全体の快適さを維持しやすくなるはず。 ■ 【その9】Chromeが重いときは内蔵「タスク マネージャ」でチェック メモリは十分に搭載しているのに、なぜか動作が重い……というようなときには、特定のタブで開いているWebサイトが原因かもしれない。どれが問題のあるWebサイトなのか調べるときには、Chrome内蔵の「タスク マネージャ」を活用しよう。 Chromeのタスク マネージャはWindowsのタスク マネージャーに似たChrome専用のツール。Chromeのタブごと、場合によってはさらに細分化された「サブフレーム」ごとのCPU使用率、メモリ使用量、通信量といったリソースの使用状況を把握できる。極端にリソース消費しているものがあれば、その場で強制的に「プロセスを終了」させることでトラブルを解決できるかもしれない。 ■ 【その10】使い勝手を高めるショートカットキー Webブラウジングはマウス操作がメイン、という人が多いかもしれないが、Chromeにはキーボードショートカットが豊富に用意されている。うまく使いこなして効率よく仕事をこなしていきたい。数あるショートカットの中でも、ここでは「意外と知られていないかもしれないけれど、覚えておくと特に便利なもの」をいくつか挙げてみた。 □上下スクロール : Spaceキー(下方向)およびShift+Spaceキー(上方向) 指1本か2本だけで、即座にスクロールできるショートカットキーだ。両手をキーボードから離したくないときや、ノートPCでマウスホイールなどによるスクロールができないときなどに便利。 □アドレスバーに移動 : Ctrl+L、Alt+D、F6キーのいずれか すばやくWeb検索したいときや、よく知っているWebサイトにアクセスするとき(ブックマークを使うよりURLを入力したほうが早いとき)には、すぐさまアドレスバーにアクセスできるショートカットキーが活躍する。同じ機能を実現するショートカットキーは3つあるが、中でもおすすめは左手の指が届きやすい「Alt+D」キーだ。 □アドレスバーから予測候補を削除 : 矢印キーで選択→Shift+Deleteキー アドレスバーでURL入力する際、過去のアクセス履歴が候補として表示されることがある。少ない手順でアクセスできる工夫ではあるが、時にはWebサイトのトップページを表示したいのに履歴を選んでしまい、遷移後にもう一度トップへのリンクを探して踏む、みたいな回りくどい操作になってしまうこともあるのではないだろうか。 そうした面倒を避けたいなら候補を削除してしまおう。候補を選ぶ段階でShift+Deleteキーを押せば、その候補は削除され次回以降表示されなくなる。設定画面から候補(履歴)を削除することもできるが、その方法だと残しておきたい候補も丸ごと削除してしまうので注意しよう。 □キャッシュを無視して再読み込み : Shift+F5キーまたはCtrl+Shift+Rキー まれにWebコンテンツが正しく表示されなかったりしたときには、とりあえずリロードしてみるのが解決策の1つ。リロードボタンをクリックするか、F5キーやCtrl+Rキーを使う人が多いと思うが、場合によっては単純なリロードだけでは問題が解決せず、キャッシュを削除した上でリロードする必要があったりもする。 ただ、キャッシュを削除するのにいちいち設定画面をたどるのは面倒だ。それよりも、通常のリロードのショートカットにShiftキーを加えたほうがずっと早い。つまりShift+F5キー、またはCtrl+Shift+Rキーだ。このショートカットキーだとキャッシュを使うことなくリロードが実行され、問題解決の可能性が高まる。 □ブックマーク バーの表示・非表示の切り替え : Ctrl+Shift+Bキー 普段はブックマーク バーを表示したままにしておいたほうが圧倒的に便利だけれど、隠したくなることもある。たとえばWeb会議中に画面共有するようなときだ。ほかの人にちょっと恥ずかしい趣味のブックマークが見られてしまうかもしれないし、社外の人に自社がどのようなWebツールを使っているのかバレてしまうかもしれない。 ブックマーク バーの右クリックメニューからすぐに非表示にはできるものの、再度表示するのが少し手間だ。代わりにCtrl+Shift+Bキーを使えば、一瞬でブックマーク バーの表示・非表示を切り替えられる。画面共有するときにとっさに隠すのも楽勝だ。 ■ 効率の良いブラウジングを目指して機能をどんどん活用しよう ChromeはWebブラウザなのだから、とにかくWebブラウジングできればいい、と思ってしまいそうになる。でも、機能を細かく深掘りしてみると、今までよりもっと効率よく情報収集できる手段が見つかったりするものだ。今回紹介した大量のタブを扱いやすくしたり検索を簡単にしたりする機能、あるいはトラブルへの対処ができるようになる機能などをうまく活用して、仕事に役立ててほしい。
PC Watch,日沼 諭史