「虎に翼」主人公が学んだ法学部のいま 「彼女が道を切り開いた」後輩たちに引き継がれた思い
法曹における女性の割合は3割以下
明治大学法学部の男女比は、6.5対3.5。青山学院大学や立教大学は男女比がほぼ1対1ですが、多くの法学部は明治大学と同程度の男女比で、男子学生が多くなっています。2023年の司法試験合格者の男女比は、男性70.58%、女性29.42%、法曹界の女性の割合を見ると、裁判官28.7%、検察官(検事)27.2%、弁護士19.8%(日本弁護士連合会「基礎的な統計情報」2023年)となっています。 この現状について、黒澤教授はこう話します。 「フランスやドイツは司法試験合格者の約6割が女性です。日本は女性の割合が増えているとはいえ、まだまだ少ないのが現状です。『虎に翼』で主人公の寅子が男性社会に切り込んでいけたのは、法律という武器があったからです。法律を武器にできるための法学部での学びは、女性が社会でより活躍するための突破口になるのではないでしょうか」 明治大学法科大学院では、日本ではじめて女性法曹を送り出した明治大学の歴史を引き継ぎ、2006年にジェンダー法センターが発足、ジェンダーと法との関連についての研究と、その成果を生かした法科大学院教育を実施しています。また、早稲田大学法科大学院は、2015年に女性法曹の輩出を積極的に推進するためのプロジェクトを立ち上げ、女性法曹による講演会、身近な女性法曹との交流、女子学生への学修支援に取り組み、成果をあげています。 社会の基盤である司法の世界に女性が増えてこそ、女性法曹の先駆者たちが追い求めた真の男女平等に近づくのではないでしょうか。性別や年齢、立場に関係なく、社会で活躍したい学生にとって、法学部での学びは大きな力になるはずです。 「女性法曹養成機関のパイオニア-明治大学法学部と女子部-」展(主催:明治大学史資料センター) 連続テレビ小説「虎に翼」展(主催:NHK財団)を同時開催2024年3月25日(月)~10月28日(月) 開館時間:月~金10~17時、土曜は16時まで(9月19日までの土曜は休館) 休館日:日・祝日(休日授業実施日は閉館) 観覧無料。会場は明治大学博物館特別展示室(東京都千代田区神田駿河台1-1)
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