「虎に翼」主人公が学んだ法学部のいま 「彼女が道を切り開いた」後輩たちに引き継がれた思い
キッザニアが夢へのきっかけに
明治大学法学部は、1年次に法律の基礎や教養科目を学び、2年次からは卒業後の進路を想定した「ビジネスローコース」「国際関係法コース」「法と情報コース」「公共法務コース」「法曹コース」の5つのコースに分かれて専門性を身につけます。途中でコースを変更したり、ほかのコースの科目を受講したりすることも可能です。 「弁護士を目指すようになったのは、小学生のときにキッザニア(子ども向けの職業体験施設)で裁判所体験をしたことがきっかけです。裁判官、弁護士、検察官役などがいて、事件の裁判をするのですが、それぞれが自分の考えを主張して、そのうえで判決を下すという流れが楽しく、そのまま夢は変わりませんでした。明治大学は司法試験合格をサポートする法制研究所があるほか、各法科大学院との連携もあり、進学を決めました」 特に印象に残っているのは、司法演習の授業です。司法試験を受けるには、学部卒業後、法科大学院に行くのが一般的ですが、司法演習の授業では、法科大学院入試に必要な論文や答案の書き方などの指導を受けます。 「実践的に学ぶことができたし、少人数の授業なので先生との距離が近く、先輩のOGが法曹の世界でどのように活躍しているのかといった話も聞けて、将来の働き方をイメージすることができました」 土屋さんは、課外活動として法律相談部に所属し、実際に一般の相談者からの無料相談を受けています。相談は法律相談部のウェブサイトで受け付けているほか、年に一度、出張相談会を開催しています。 「相談者からの相談に対して、民法などを使って解決に導きます。学んできたことを生かして困っている方の役に立てたことに喜びを感じました。また先輩弁護士の方が指導に来てくれることもあり、やりがいを持って働いている話を聞くと、弁護士になりたいという思いが強くなります」 弁護士を目指すには、まず膨大な量の条文や解釈を覚えなければなりません。 「今は法科大学院の試験に向けて勉強していますが、覚える量が膨大で大変なのはもちろん、条文の解釈は1つではなく、学説が分かれているケースもあるのが難しいところです。周りには同じ目標を持つ仲間がいるので、問題を出しあったり、確認しあったりして一緒に励んでいます」 明治大学法学部で土屋さんのように法曹の道を目指す学生は、1割強。約2割は公務員になり、裁判所の事務官など法律の知識を生かした職務につきます。土屋さんが所属するゼミの担当教員でもある黒澤睦専任教授は、こう話します。 「一般企業に就職した場合も、多くが法務部門などで法律の知識を生かして仕事をしています。また、法律には直接的に関係しない部門でも、法学部で学んだ論理的な思考がプロジェクトの企画立案や評価、プレゼンなどに役立つという話は、卒業生からよく聞きます」