東宝、アニメ事業が半年売上300億円と飛躍…戦略を投資家にアピール 強みはズバリ「総合力」現場の声は
「ファンパレ」などゲーム展開も好感触、現場の声は
また、統合報告書ではより現場に近い声も収録され、アニメ事業室長の武井克弘氏はプロデューサーの役割について独自の見解を示した。「アニメのプロデューサーは、映画や演劇以上にビジネス性を追求します。テレビシリーズでは放映収入が限定的なため、配信やグッズ化といった2次利用による収益モデルを常に構築する必要があるのです」。 そして二次利用、ライセンスビジネスの新たな形としてゲーム開発を挙げた。2021年に立ち上げたTOHO Gamesでは、『ゴジラ バトルライン』や『呪術廻戦ファントムパレード』などで成功を収めてたほか、2024年4月には「文芸グループ」を新設。漫画編集者、漫画家、小説家など多様な視点を取り入れオリジナルIPの創出に挑んでいる。 武井氏は「TOHO animationはアニメメーカーとしては後発です。だからこそ『考える』ことに力を入れ、ライバル他社の思考の先をいく必要がありました」と、同社の戦略的アプローチを強調。グローバル展開における課題についても「地政学リスクや各国・各地域の文化、風習を理解し、織り込む必要があります。表現の自由とこれらのリスクとのバランスを取りながら、ローカライズを進めることが重要です」との認識を示している。 当社は今期『怪獣8号』やアニメ版『ヒロアカ』を放送し、来年1月からは『薬屋のひとりごと』第2期が控えるなど、さらなる飛躍が期待されている。
編集部 経済・社会担当