衝撃的な活躍…。欧州、今季大ブレイクの10代タレント10人。サッカー界の未来を背負う超逸材たち
MF:ジョアン・ネベス(ベンフィカ/ポルトガル代表) 生年月日:2004年9月17日 市場価値:4500万ユーロ(約63億円) 今季リーグ戦成績:30試合3得点2アシスト 昨季のポルトガル王者ベンフィカにとって、冬の移籍市場でのエンソ・フェルナンデスのチェルシー移籍はチームにとって痛恨の出来事だった。そんな彼の後釜に台頭したのが、クラブ生え抜きのジョアン・ネベスである。昨季の最終盤にスタメン定着すると、迎えた今季に大ブレイクを果たした。 この新進気鋭のMFは中盤の選手に必要な能力をすべて兼ね備えていると言っても過言ではない。変幻自在な緩急とテクニックで対峙した選手をドリブルで出し抜いたかと思えば、球際が求められる守備の局面では身体を張って蓋をする。身長は174cmと小柄ではあるが57%の勝率を誇るなど空中戦も苦にしておらず、パス成功率はチーム唯一の90%越えを達成と、あらゆる能力の平均が高い。 19歳ながらすでに高い完成度を誇るネベスは、5月2日時点で公式戦52試合に出場とフル稼働している。10代にしてこの稼働率の高さは疲労を考慮すると不安材料でもあるが、昨年10月のデビューから完全に定着したポルトガル代表として今オフのユーロ2024(欧州選手権)出場も濃厚だ。 こうした活躍から市場価値も急騰しており、4500万ユーロ(約63億円)はポルトガルリーグではスポルティングCPのスウェーデン代表FWビクトル・ギェケレシュに次いで高い。評価急上昇の逸材に対しては多くのビッグクラブが獲得に興味を示しているが、ベンフィカは1億ユーロ(約140億円)以下での売却を考えていないとのこと。今夏のステップアップも噂される中で次なる新天地はどこになるのだろうか。
DF:パウ・クバルシ(バルセロナ/スペイン代表) 生年月日:2007年1月22日 市場価値:2500万ユーロ(約35億円) 今季リーグ戦成績:14試合0得点0アシスト パウ・クバルシはバルセロナの最終ラインに救世主のごとく現れた。今年1月にトップチームデビューしたばかりの若きCBは、瞬く間に不動のレギュラーに定着すると、そこからUEFAチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝の最年少出場記録やスペイン代表史上最年少デビューなど数々の記録を更新した。 ただ試合に出場するだけでなく、3月に行われたナポリとのCL決勝トーナメント1回戦2nd legでは、ナポリのエースであるビクター・オシムヘンを完封するなど、17歳にしてチームの守備の柱として躍動している。この試合でも怪物FWを相手にしながら、1対1の局面では地上戦と空中戦で全勝し、見事チームのベスト8進出に貢献した。 またシャビ監督が「クバルシはこのチームの中で最もビルドアップのパス出しが上手い」と絶賛したように、ボールを持った際の落ち着きとパスのセンスはこの年齢の選手とは思えないほどのクオリティである。 攻守両面で自らの実力を示した彼のパフォーマンスはチームの成績向上に直結しており、ヘタフェとの第26節からは6試合連続で無失点を達成。試合に敗れたのはビジャレアルとの第22節とレアル・マドリードとの第32節の2試合のみで、10勝2分2敗と大きく勝ち越している。このままカンテラの先輩であるカルレス・プジョルやジェラール・ピケのようにチームの核となるのだろうか。少なくともその素質を持ち合わせているのは間違いなさそうだ。