JFE鋼材・横浜、免震装置部品の一貫生産体制構築。歪み取り用矯正プレス導入
厚板溶断加工業大手のJFE鋼材(本社・東京都中央区、社長・古米孝行氏)は、横浜事業所で建築免震装置部品の一貫加工体制を構築する。従来は母材切断(切板生産)と外注委託による表面処理工程を分割して受注を請け負っていたが、新たに歪み取り用のプレス矯正機を導入。既存の五面加工機と有機的に活用することで一連の製造プロセスを担える社内体制を整えた。 免震装置部品の一つである「フランジ」の製作は、切板から機械加工を経て亜鉛メッキや塗装などの表面処理を施し、最終的に製品の歪み矯正・検査を経て出荷する工程となっている。 産機事業部横浜事業所(磯子区)では、以前からフランジそのものやフランジに挟まれた内部鋼板の切断をはじめ「すべり板」と呼ばれる部品の切断・溶接・機械加工を手掛け、フランジ自体の機械加工は外注を起用してきた。 顧客サービス強化・付加価値向上を目的に内製化へのシフトを試み、その一環で顧客が求めるシビアな歪みを平坦度矯正する専用のプレス矯正機「SPFR―200VS」(大阪ジャッキ製作所製)を新設した。移動式の門型フレーム構造で100トン油圧シリンダーを2本装備。最大で50ミリ厚、3・2メートル角のワーク(被加工材)を対象に、ワーク寸法にもよるが10ミリ程度の歪みをプラスマイナス1~2ミリ公差内に平坦度矯正する。 フレームが前後に、シリンダーが左右に移動するためワークのどの部位でも網羅できるのが特長。シリンダーが2本なので矯正の際にワークの反転や治具の使用が不要となり、作業安全性や生産効率化にも寄与する。そのほかにも随所に現場の使い勝手を盛り込んだ特注設備で、顧客である免震装置メーカーの加工認証もクリアしたことから今後、本格的な拡販・生産に着手する方針だ。 横浜事業所は一般産機や工作機械、重電向けを主体に厚板・極厚板の切断から溶接・製罐、機械加工を複合一貫加工するのが特長。