市場では「読売333」が話題ですが偶然にも米国次期財務長官提言の経済政策も「3・3・3」 「減税によって税を増やす」(⁉)というものです
【うまちゃんの財ザク!】 米国のトランプ次期大統領は経済政策の調整を行う国家経済会議委員長に「減税推進派」の経済学者、ケビン・ハセット氏を指名しました。さらに次期財務長官にはヘッジファンドの創業者、スコット・ベッセント氏を指名。こちらも規制緩和推進者です。 ベッセントさんは債務拡大の解決策として、経済政策「3・3・3」をトランプさんに提言しました。 ①2028年までに財政赤字を国内総生産(GDP)比3%まで削減。②規制緩和でGDP成長率を3%に。③原油生産を日量で300万バレル増産。「3」が並んだのは、安倍晋三元首相提唱のアベノミクスの「3本の矢」の影響だそうです。 こうしたコストカットや規制緩和、減税を織り交ぜながら、結果的に税収を増やして経済を成長させるというものです。「テクノロジーなどの規制を緩め、減税によって税を増やす」という方向に米国は進んでいます。できるかどうかわかりませんが、こういうことを打ち上げただけでも、結構、経済をふかす動きになっています。 このトランプさんの人事に市場は好感し、ニューヨーク株式市場のダウ平均株価、S&P500は史上最高値を更新しました。大統領選挙の投開票日と11月29日の比較でNYダウはプラス6・99%、S&P500はプラス5・35%です。 日経平均株価 三角もちあいの行方 一方、日経平均はマイナス0・19%。日本株は鈍い動きが続いています。先週1週間の業種別騰落率では、33業種中、任天堂やタカラトミーなどが入る「その他製品」というセクターが1位になり、物色対象も方向が定まりません。行き詰まっている感じもします。 7月の高値4万2000円と8月の安値3万1000円の間で行ったり来たりしていて、値動きの幅もどんどん収れんして小さくなり、かなりフラストレーションがたまっていて、エネルギーが押し込まれています。こうした三角もちあい(株価の上昇・下落の値幅が徐々に狭まって、チャートの形が三角形のようになる状態)はいつか終焉を迎え、上昇か下落のどちらかにエネルギーが放たれ、相場が大きく動き出します。 日経平均の下値が硬いことから、上に放たれるとみているものの、最近の円高の動きやトランプ関税、日銀の利上げ動向などから、下に放たれる可能性もよぎります。考えたくはありませんが…。