鹿児島県 故弓削氏の文庫企画展示始まる 功績知るきっかけに 知名町で記念式典 「活用することが大事」
【沖永良部】知名町出身の郷土史家、故弓削政己氏が同町へ寄贈した文献史料に関する企画展示が6日始まり、知名町役場フラワーホールで記念式典があった。同町の今井力夫町長は「弓削氏の功績を地元の人に知ってほしい。子どもたちにも新たな学びになる」と期待を込めた。 同日開催の地域シンポジウム「沖永良部の近現代」(鹿児島大学法文学部付属「鹿児島の近現代」教育研究センター主催)の関連イベントとして行われた。 弓削氏は2016年3月に死去。生前からの要望で、所有していた文献史料約1万点を町へ寄贈した。 町は、19年に文献室と史料室を中央公民館に整備。鹿児島大学と協力して文献史料の整理作業を進めてきた。今年8月19~31日には、鹿児島大学法文学部の准教授と学生ら7人が来島し作業。現在までに約6500点の目録化が完了した。 今回の企画展示では、弓削氏の功績や寄贈に至るまでの経緯のほか、収集史料の軌跡や整理作業の様子をパネル展示した。寄贈された文献史料は、公開に向けて準備を進めている。 式典で、「鹿児島の近現代」教育研究センターの丹羽謙治センター長は「資料を手に取ってみると、改めて弓削先生の研究スタイルが伝わってきて、奄美全体のために研究していたことが分かる。弓削先生のことがもっと広く伝わるよう文献資料を保存し、活用していくことが大事になる」と話した。 企画展示会場は知名町役場フラワーホール。6日から約2週間展示する予定。