「重症度を軽く見積もり、不適切な医療で命失った」…心疾患の19歳女性死亡、遺族が鹿児島大と国立病院機構を提訴
鹿児島大学病院で2020年7月、県内の女性=当時(19)=が心疾患の適切な治療が行われず死亡したとして、遺族が11日までに、鹿大と独立行政法人国立病院機構に約1億円の損害賠償を求め、鹿児島地裁に提訴した。9日付。 訴状によると、女性は17年11月に肥大型心筋症、心室頻拍で鹿大病院に通い始め、18年10月に拡張相肥大型心筋症と診断された。同疾患は不整脈による突然死の頻度が高いが、鹿大病院側は予防に有効とされる体内植え込み型除細動器(ICD)の治療を行わず、女性は致死性不整脈で亡くなった。 遺族側はICDの治療を行っていれば死亡は回避できた可能性は高いと主張する。19年8月から通院していた国立病院機構管轄の指宿医療センターに対しても、専門医として女性にICDの適応があると認識でき、治療すべきだったなどと訴える。 遺族は「重症度を軽く見積もった結果、不適切な医療で失う命があることを知ってほしい」と話す。鹿大側は「訴状が届いていないので、コメントは差し控える」、指宿医療センターは「訴状が届いていないためコメントできない」としている。
南日本新聞 | 鹿児島