やっぱり中古イタリア車?警告灯が点灯!オイル漏れの痕跡!? 原因は自動制御MT"デュアロジック" 【フィアット500PINK!オーナーレポート vol.3】
ミッション警告灯の点灯はやはりクラッチの摩耗エラーコードを消してキャリブレーションで対応
さて、もうひとつの問題であるミッション警告灯の点灯についても点検してもらう。症状を話すとやはりクラッチが原因として疑われうようだ。 早速診断機を繋いでチェックしてもらう。竹門さんは「クラッチの摩耗が進んでいますが、通常の使用ならもう少し使えると思います。お話されたような悪条件が重なったときは若干注意が必要ですが、そもそもクラッチに負担をかけるような運転はなるべく避けるべきです。ちなみにウチでクラッチ交換の作業を行うと、部品代と工賃はざっくり15万円くらい。今ですと工場の順番待ちで1.5~2ヶ月ほどクルマを預からせてもらいます」という。 修理代はともかくとして、納車されたばかりのクルマに2ヶ月間も乗れないのはどうしたものかと逡巡していたところ、竹門さんは「納車されたばかりで山崎さんも新しく購入したクルマに乗りたいでしょうし、もう少しあとでも大丈夫ですよ。とりあえず、今日のところはエラーコードを消し、念のためデュアロジックのキャリブレーションだけ再度行っておきましょう」とアドバイスしてくれた。 作業が終わり本日の作業の支払いをしようとすると、「お代は結構です」と予想外の返答が戻ってきた。 どういうことかと説明してもらうと「当店ではオーナーの方にフィアット500を調子よく乗ってもらうため、今回の作業を無料で行っています。故障が多いと悪評ふんぷんなデュアロジックですが、年に1度のオイル交換(部品代&工賃込みで3万円ほど)と無料点検&キャリブレーション作業で、かなりの確率で不調を回避できます。山崎さんのクルマは納車時にオイル交換を済ませていますので、今回は不要ですしね」と理由を竹門さんは話してくれた。これには感謝の言葉しかない。 お礼を言って店をあとにしようとすると、竹門さんは「フィアットはいまだにパーツに当たり外れがあり、新品なのに合いが悪い部品が送られてくることがあります。比べてしまうとやはりパーツの品質では日本車に一日の長があります。ただ、運転の楽しさ、魅力的なスタイリング、優れたファッション性、個性的なキャラクターという点ではやはりフィアット500のような輸入車にはかないません。当店は車両整備時に交換するパーツをチェックしていますし、独自のノウハウで車両の状態に応じた適切なメンテナンスを行っています。なにかお困りごとがありましたらいつでも相談してください」と暖かい笑顔で見送ってくれた。 帰宅後『プランニングおがわ』に事の顛末を報告すると。「大きなトラブルでなくて良かったです。胸をなでおろしました」との返信が間髪入れずに返ってきた。 故障が少なく信頼性の高い日本車と違い、ちょっと古い中古輸入車を維持するには、多少の手間とお金がかかるの仕方がないことではあるし、良好なコンディションを維持して行くためには信頼できるプロショップの協力が不可欠となる。これをメンドウと嫌う人もいるだろうが、手間隙かかるからこその趣味であり、こうした面倒事があるからこそ中古輸入車は楽しいのだ。 また、フィアット500を選んだから『プランニングおがわ』や『ピッコロカーズ』のようなプロショップとの出会え、付き合いができたわけで、こうした店との繋がり、すなわち人間関係はプライスレス。彼らと話をすることは大いに勉強になるし、ときには整備工場内でメンテナンスの様子を見る機会もあり、車両のメカニズムやそのクルマの構造的な長所や短所などをより深く知ることもできる。こうしたことは信頼性と経済利得性に長所がある現行の国産新車ばかり乗り継いでいても得ることはできないだろう。身銭を切って得た経験と知識の積み重ねがクルマ好きにとってはカネでは買えない財産となるのだ。
山崎 龍
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