初詣前にチェックしておきたい参拝マナーの中身…礼を失しない態度と立ち居振る舞いでお参り
個人的に参拝し、時間があるときは、④の後に声に出さずに祭神の神名を呼んで「ありがとうございます」と感謝を述べ、名前、住所、生年月日を伝えた後に、感謝と神々のご活躍を祈り、自分の願い事や決意、神様に伝えたいことを述べます。団体参拝のときは短めにしましょう。 この作法は神社本庁の『神社祭式行事作法』によるもので、神社の祭祀を司る責任者である宮司の拝礼作法を定めており、神社の祭典に参加する参拝者が行う礼拝作法もすべて宮司拝礼の作法を基準としています。1907(明治40)年の『神社祭式行事作法』で祭式作法が定められましたが、変遷を経て、二拝二拍手一拝となったのは戦後といわれています。
神社の神職には定められた行事作法が徹底されましたが、一般の参拝者にまで広まったのはさらに時代が下り、平成になってからとの指摘もあります。 ■一般参拝者が作法を厳密に守る必要はない 伊勢神宮の拝礼は八度拝と呼ばれるもので、八回拍手をするので八開手(やひらて)でともいいます。これは神職が行っているもので、一般の参拝者は二拝二拍手一拝でよいとされています。神楽殿で神楽を奉納した際に参拝者も八度拝を行うことがありますが、神職の指示に従えば大丈夫です。
出雲大社や宇佐神宮では二拝四拍手一拝で参拝するなど、拍手の回数が異なる神社もあります。歴史的には、二拝し、祈念して再び二拝する「両段再拝(りょうだんさいはい)」が最も普及した作法でした。 宮司拝礼に準じて正式には「拝」と言いますが、ほとんどの神社では参拝者向けに「二礼二拍手一礼」と案内しています。礼をする気持ちさえあれば、深さは厳密に意識する必要はありません。 参拝の作法をご紹介しましたが、一般の参拝者が厳密にこの通りにしなければならないということではありません。
ただ、作法を知っておくと、戸惑うことなく落ち着いてお参りができるのではないでしょうか。何よりも大事なのは神様を敬う気持ちと素直な心ですので、礼を失しない態度と立ち居振る舞いでお参りすれば、神様にもお喜びいただけることでしょう。
深結(みゅう) :ヒーリングシンガー/島根県親善大使、出雲観光大使