初優勝から一気に3勝、岩井明愛の最新セッティング。大幅変更なし、クラブの安定も強さにつながった
シーズン3勝、トップ10以内が18回、シーズンを通して活躍した岩井明愛のクラブセッティング。2023年シーズン最終戦のリコーカップで撮影。 岩井明愛の最新クラブセッティングはこちら
開幕戦と最終戦の14本を比べると、替わったのはパターのみで、クラブに対する迷いは全くなかったことがわかる。替えたパターはいずれもスパイダーでフォルムは同じ。
テーラーメイドのツアー担当にパタースイッチの経緯を聞いてみると、「スパイダーTOUR Xを投入したのは9月の日本女子オープンからです。岩井プロはこのスパイダーXのシェイプを気に入って、昨年も使っていました。TOUR Xは前モデルよりも打感と操作性が向上していて、その点を評価したようです」 調べてみると、スパイダーTOURシリーズからヘッド中央部を空洞化、それにより各モデルの重心配置にメリハリがつき、寛容性と操作性が向上。さらに、フェース裏側にハイブラーエコーという振動吸収材を搭載して打感と打音も向上させている。こうしたアップデートがスイッチにつながった。
ちなみに9月までの3勝は、旧エースパターのスパイダーXで達成。新エースではシーズン終了直後のHitachi 3 ツアーズで、妹・千怜とのコンビで18ホール11アンダーの大爆発。明愛がMVPを獲得した。この新エースで来季も開幕を迎えるのか注目したい。
パター以外のクラブは契約するヨネックス製。ドライバーはEZONE GT 450、シャフトもヨネックスのレクシス カイザM。ロフト9度のヘッドをネックで10.5度、フェースアングルを1度クローズに調整、1シーズン変更はなかった。唯一変えたのはソールの鉛。開幕戦はトウ寄りに小さな鉛を貼っていたが、シーズン中、ソール前方にフェース面と平行の貼り方に変えた。ここはスピン量を抑えて直進性を高める位置。シーズンの平均飛距離257.88ヤード(ツアー5位)、FWキープ率は61.63%(同63位)だった。
アイアンは、ヨネックス2モデルのコンボセッティング。4IからPWまで鍛造キャビティのEZONE CB511、さらに別モデルで飛び系のEZONE FSの5Iと6Iをバッグに入れ、コースに応じてクラブを選んでいる。シャフトは、強弾道でスピンも増えるヨネックスのカーボンシャフト、レクシス カイザi。今シーズンのパーオン率は75.34%でツアー1位。