淫行条例化めぐり長野で続く議論 誇りだった「県民運動」見直しの是非は?
自民党の別の議員は「県民運動の限界が見えているというのなら、ではどうするのかというところから議論して再構築を目指すべきではないか」とも言います。また、代表質問にも立った共産党の議員は「子どもの性被害は、大人のモラル喪失が問題なのに罰則で問題が解決するのか。条例ありきの議論が進み、地域の皆さんと議論を進めることが欠落してきた。成人雑誌の自販機の撤去運動などでも長野県は成果を上げてきた。こうした運動の再構築を考えた方がいい」と提案。再考を促す声は根強いようです。 県の担当職員は「県民運動について議会などから説明を求められることが多い。再度の説明を求められることもあります」と言います。県によると、近く条例について県民の声を聴くパブリックコメントを実施します。その後、6月定例県議会に知事が条例案を提案するのではないかとみられています。しかし多くの論点を残したまま条例化が進んでも、問題は残りそうです。ある議員は「まだまだ地域で青少年のために頑張っている人たちが実はたくさんいるんです。条例ができて、面倒な問題は警察に任せればいいというような空気が広がれば、県民のパワーは削がれてしまう」と心配します。
------------------------------------- ■高越良一(たかごしりょういち) 信濃毎日新聞記者、長野市民新聞編集者を経てライターに。記者歴は報道部、支社局、朝夕刊デスクなど。この間2年地元テレビでニュース解説