アマゾン株上昇、堅調な売上高・利益見通し示す-クラウドに勢い
(ブルームバーグ): 米アマゾン・ドット・コムは10月31日、堅調な10-12月(第4四半期)営業利益・売上高見通しを示した。同社は好調な年末商戦を見込む。米株式市場時間外取引でアマゾン株は上昇した。
同社は10-12月期営業利益が160億-200億ドル(約2兆4300億-3兆400億円)になると予想した。ブルームバーグの集計データによると、アナリストの予想平均は175億ドル。10-12月売上高見通しは最大1885億ドルとした。アナリストの予想平均は1864億ドル。
アンディ・ジャシー最高経営責任者(CEO)は発表資料で、「ホリデーシーズンを迎え、用意した商品にわくわくしている」と述べた。
昨年、記録的な低増収率にとどまったクラウド事業は今年に入って勢いを取り戻しており、7-9月(第3四半期)も回復基調が続いた。クラウド部門アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)の売上高は19%増の275億ドルとなり、市場予想と一致。営業利益は104億ドルと、アナリストの予想平均(91億2000万ドル)を上回った。
アマゾンは利益の大半をAWSに頼っているが、主力事業である電子商取引も7-9月期は好調だった。オンラインストア部門の売上高は7%増の614億ドル。広告部門の売上高は19%増の143億ドルと、引き続き高い増収率となった。
7-9月期の全社売上高は11%増の1589億ドル、営業利益は174億ドル。営業利益の市場予想の平均は147億ドルだった。営業経費は7.2%増の1415億ドルとなり、7四半期連続で増収率が営業経費の増加率を上回った。
Eマーケターのスカイ・カナベス氏は「いずれも好調な電子商取引・広告・クラウドサービスという事業の3本柱に支えられ、市場予想を上回る7-9月期となった」と説明した。
ジャシーCEOが長年進めてきたコスト削減と物流業務の合理化も好業績に寄与した。
DAデビットソンのアナリスト、ギル・ルリア氏は「投資家は小売り事業が利益率を維持できるか懸念していたが、アマゾンは利益率を伸ばした。特に海外事業で顕著だった」と述べた。