さようなら稲葉山の風車(富山県小矢部市) 12月20日までに全基撤去
富山県小矢部市田川の稲葉山山頂にあり、今年で廃止される小矢部風力発電所の風車の撤去が進んでいる。3基のうち1基は既に姿を消しており、19日は2基目のプロペラが取り外された。山頂では大型クレーンによる作業の様子を写真や動画に収める人もいた。12月20日までに全基が撤去されるという。 風車は標高346メートルの山頂にある市有地に立ち、プロペラを含めた高さはいずれも87メートル。2004年の運転開始から20年となる今年で、国の再生可能エネルギー固定価格買い取り制度が終了し、採算が取れなくなることなどから、運営するくろしお風力発電(茨城県日立市)などが廃止を決めた。 風車の撤去は11月上旬に始まった。19日午前には、直径44メートルのプロペラが大型クレーンで支柱から取り外され、宙づりになる珍しい光景が見られた。砺波市太郎丸の堀幸男さん(70)は「小矢部へ向かう時の目印になっていた。寂しい」と話し、スマートフォンで撮影。小矢部市は「風車がある稲葉山の風景を心にとどめてほしい」とした。
来年5月までに各支柱の土台だったコンクリートの塊を取り除き、復旧完了となる。