新・関西将棋会館の初勝利第1号は藤井奈々女流初段! 2日前の高熱もなんの「やっぱり勝ちでスタートはうれしい」
大阪府高槻市のJR高槻駅前に3日にグランドオープンした新・関西将棋会館の対局の一つ、女流将棋の第7期清麗戦予選トーナメントで、藤井奈々女流初段が岩崎夏子女流2級を先手の105手で破り、新会館の記念すべき勝者第1号となった。 この日の会館では他の対局はすべて順位戦だったが、持ち時間が順位戦(各6時間)に比べて、清麗戦予選は各2時間と短いため、最初の終局となった。 2日前に38度7分の高熱が出て、胃腸炎と診断された藤井だが「死ぬ気で治して」マスク着用で対局。今年4月に女流棋士になったばかりの現役女流棋士最年少13歳・岩崎の得意戦型を研究し「結構激しい将棋で、香車1枚損でしたが、崩れなかった。(キャリアの)貯金だけで頑張りました」とデビュー8年目の26歳は目尻を下げた。 デビュー戦、旧会館でのラスト対局ともに負けただけに、新会館での白星一番乗りには「こんな病人が…ありがたいです。やっぱり勝ちでスタートさせていただいたのは、うれしい」と素直に喜んだ。また、京都府宇治市在住とあって、大阪市福島区の旧館よりも「めちゃめちゃ近くなりました。今までは(対局に)1時間以上かかっていたし、電車で人身事故が起きることも。電車の選択肢が増えたのもうれしい」。地の利も今後、生きそうだ。 対局場からは中庭の緑も見え、緊迫感のある対局場に落ち着いたムードを醸し出していた。「すごくいいお部屋。対局中はしんどいので、ふっと緑が見えると心が落ち着き、いい息抜きになる。全然違う。本当にいい建物を建てていただいた」と関係者に感謝した。 ベスト16に進出した藤井は次戦で石本さくら女流二段と準々決勝進出を争う。清麗戦予選は2敗失格方式のため、負けた岩崎は再挑戦トーナメントへ回る。 なお、先月28日が対局ラストデーの旧・関西将棋会館(大阪市福島区)での最後の勝者は、順位戦B級1組で糸谷哲郎八段を破った石井健太郎七段だった。
報知新聞社