掛布氏 パリーグ順位予想ソフトバンク、楽天、西武
■1位予想は大型補強に成功したソフトバンク パ・リーグは、ソフトバンクが、セ・リーグの巨人同様、「自分たちの野球をすれば負けない」というチームを作った。エースと4番。勝てるチームの条件とも言える、チームの柱に、摂津と、オリックスから移籍した李大浩(イ・デホ)が、どっしりと座っているのが大きい。 投手陣も先発ローテーションには、人が余るほどだ。これまで不安だった後ろにも、西武から獲得したサファテに五十嵐という二枚ストッパーを揃え、セットアッパーにも安定感のある千賀と岡島を備えている。この後ろの4枚は、巨人の3枚看板に匹敵するものだろう。ソフトバンクは、その隙を見つけるほうが難しい。 ■連覇を狙う楽天は2位、バランスの良い西武が続く 追う一番手は連覇を狙う楽天だ。楽天は、24勝0敗の田中将大が抜けたが、ルーキーの松井、故障に苦しんでいた塩見という2枚の左腕が出てきた。打線の軸だったジョーンズ、マギーの2枚看板の一人、マギーが退団したが、その代わりにユーキリスが入ったことでカバーができていると思う。戦力的に楽天は十二分に補強をしたが、それ以上にソフトバンクの補強が上回っているということである。 伊原新監督の西武も面白い存在だ。まず、岸、菊池、新外国人のレイノルズ、牧田、野上、岡本洋と、先発投手に頭数が6人も揃っているし、打線では、おかわり君こと中村が怪我で出遅れたが、彼が揃ってくると、栗山の1番から、浅村―中村に続くクリーンナップには得点力がある。そこに、きめの細かい伊原野球のエッセンスが加われば、十分にCS圏内には入ってくるだろう。 ■ルーキーが4番のロッテは苦しい 4位はロッテとした。昨年もそうだったが、伊東監督は、また若い戦力をうまくやりくりしながら1年を乗り切っていかねばならないだろう。“アジャ”と渾名をつけられたルーキーの井上が話題を集めているが、彼が4番に入るようでは打線は苦しい。 私は映像で見ただけだが、左の脇の開きが気になる。伸び上がるようなスイングで、ボールを押し込んでいくようなヘッドの使い方がない。確かに半速球に関しては、打ち損じもなく、右にも打てる。非凡な逸材ではあるが、公式戦になってインサイドを厳しく攻められ、キレのある変化球をボールゾーンに落とされてくると苦労するだろう。