一般社団法人日本学生卓球連盟・災害復興支援講習会が熊本県で開催 理事長・板垣賢一氏にインタビュー
2024年10月11日~13日まで、熊本県人吉市近隣地区で、一般社団法人日本学生卓球連盟・災害復興支援講習会が開催された。 2012年から現在まで毎年開催されているこの講習会だが、今回は、一般社団法人日本学生卓球連盟理事長の板垣賢一氏に、開催の経緯や今回の活動などについてインタビューした。
一般社団法人日本学生卓球連盟・復興支援講習会とは
一般社団法人日本学生卓球連盟(以下、日学連)・復興支援講習会とは、2011年3月に発生した東日本大震災をきっかけに、東北地方を中心に2012年から卓球を通した復興支援交流を目的とした事業である。新型コロナウイルスの影響で一時は開催を余儀なくされたが、現在で11年目、計22箇所の被災地を回り、卓球を通した交流を行っている。 <今回、どのような経緯で熊本県人吉市近隣地区が支援活動の開催場所として選ばれたのでしょうか?> これまでの東日本大震災の被災地および避難地域での活動を一旦休止し、最近の気象変動による水害の被災地に目を向けることを提案しました。 特に、2020年の水害は壮絶で、テレビでその様子を見て大きなショックを受けました。その時、熊本に住む友人に連絡したところ、友人の家は大丈夫でしたが、地域によっては非常に厳しい状況だと聞きました。 それがきっかけとなり、この地区で支援を開始することを決めました。 <熊本県を選ばれた背景には、熊本地震も影響しているのでしょうか?> そうですね。実際、2016年4月16日に起きた熊本地震は国内でも非常に大きな被害をもたらしました。震度6.78を記録し、267名の命が奪われたことに深い哀悼の意を持っています。 こうした背景から、「水害・震災復興支援」として、人吉市近隣地区から支援活動をスタートさせることにしました。 <今回、指導を担当された選手について教えてください。> 今回参加した選手は、男子だと明治大の平賀龍生さん(大分県・明豊高校出身)、日本体育大の泊航太さん(福岡県・希望ヶ丘高校出身)、女子では、東洋大の佐藤瑠衣さん(熊本県・慶誠高校出身)、中央大の吉松寿莉さん(熊本県・開新高校出身)の4名です。 特に女子2名は地元・熊本県の高校出身で、男子2名も九州の高校出身者です。九州出身の選手を選出した事が良い結果をもたらしたと思います。 彼らは卓球の指導だけでなく、卓球を離れた時の私生活の振る舞いも非常に素晴らしく、学生卓球界においても尊敬される存在です。 <支援活動にあたって、どのような協力体制が組まれたのでしょうか?> 日本卓球株式会社に現地調整を依頼し、熊本県卓球連盟や現地の皆さんとの協力を得て、スムーズに進めることができました。 本連盟の河田正前会長や中村守孝新会長も本活動を応援してくださり、河田前会長からは「災害の種類が変わっても支援を継続していきたい」という強い希望をいただいております。 中村新会長にも「大変素晴らしい企画、ぜひ小中学生が卓球への思いをより深める良い機会に!」と後押ししていただきました。 また、今回の総務役を担当した日学連幹事長の米田裕哉(明治大、県立秋田高校出身)は秋田県秋田市出身で、小学生時代に東日本大震災を経験しています。彼も講習会の講師として卓球の指導をしました。 持ち前の明るい性格で活動を盛り上げ、現地の子どもたちも楽しんで卓球を学ぶことができました。彼のじゃんけん大会は大盛り上がりでしたね。 <指導者のサポートについてはいかがでしょうか?> 今回も鄭泰應(日本体育大学監督)強化委員長と、池田由美子(大正大学総監督)強化委員が素晴らしいサポートをしてくださいました。 彼らの真剣な指導は子どもたちにも強く伝わり、非常に有意義な時間になったと思います。 <最後に、今回の活動に協力してくださった方々へメッセージをお願いします。> 日本卓球株式会社の市原副社長、田崎さん、内田さん、九州担当の飯田さんには、現地との調整を担当していただき、非常に感謝しています。 また、熊本県卓球連盟の加藤理事長、高木珠江副会長、高木誠也副理事長、人吉市卓球連盟の秋吉会長をはじめとする地元の皆さんにも大変お世話になりました。 本当にありがとうございました。
ラリーズ編集部