イスラエルの空爆で援助物資トラックの警備員12人死亡か ガザ南部
イスラエルによるパレスチナ・ガザ地区への空爆で、少なくとも35人のパレスチナ人が殺害されたと、地元の医療関係者と、イスラム組織ハマスが運営する民間防衛隊が発表した。死者には、援助物資を運ぶトラックを守っていた警備員12人も含まれているとしている。 南部ラファでの空爆では、暴力的な武装強盗から援助物資を守っていた警備員7人が死亡したとされる。また、南部ハンユニスでの攻撃でも警備員5人が死亡したという。 イスラエル軍は、「トラックをハイジャックしようとしたハマスの武装したテロリストに対し、精密な攻撃を行った」と述べた。 これに対し、ガザの民間防衛隊のマフムード・バサル報道官はAFP通信に、「(イスラエルの)占領軍はまたも、援助物資を運ぶトラックを守っていた人々を標的にした」と語った。 また、2回の空爆で約30人が負傷し、その多くが子どもだったと付け加えた。 バサル氏によると、トラックは国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の倉庫に向けて小麦粉を運んでいたという。 国連は、深刻な食料不足のなか、暴力的な武装強盗がガザ南部への援助物資の供給の主な障害となっていると述べている。市民やハマスの警察も、これらのギャングに対抗するために動員されている。 ハマスによると、2023年10月7日に始まった戦争以来、ガザで援助物資を運ぶトラックを守る任務を負っていた警察官が少なくとも700人、イスラエルの軍事攻撃で死亡したという。 イスラエル国防軍(IDF)は声明で、「昨夜、ハマスのテロリストが存在するという情報に基づき、IDFはガザ南部の2カ所の集会地点に集まっていた武装したハマスのテロリストに対し、精密な攻撃を行った」と述べた。 また、「排除されたテロリストはすべてハマスのメンバーであり、人道援助物資を運ぶトラックを暴力的にハイジャックし、それをハマスに移送する計画を立てていた」と説明した。 ■難民キャンプやガザ市でも空爆 民間防衛隊はこれとは別に、ガザ中部のヌセイラト難民キャンプ付近と北部のガザ市にある住宅2軒に対するイスラエルの空爆で、さらに21人が死亡したとした。 バサル報道官によると、ヌセイラトでは15人が死亡し、そのうち少なくとも6人は子どもだった。また、ガザ市のアパートへの空爆後、6人の遺体が発見された。 イスラエルは、2023年10月7日にハマスがイスラエル南部に対して行った前例のない攻撃に応じて、ハマスを壊滅させるための軍事作戦を開始した。ハマスの攻撃では約1200人が殺され、251人が人質に取られた。 ハマスが運営するガザ地区の保健省によると、それ以来、ガザでは4万4800人以上が殺害されている。 数カ月にわたる国際的な戦争終結の努力が失敗した後、イスラエルのイスラエル・カッツ国防相はアメリカのアントニー・ブリンケン国防長官に対し、アメリカ国民を含む残りの全ての人質を返還するための新たな合意の可能性があると伝えた。 ハマスとの限定的な合意が議論されているとの報道も出ている。 (英語記事 Israeli strikes kill 12 guarding Gaza aid lorries, medics say
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