伊東純也が「いやあ恥ずかしいですね…」と語った理由。日本凱旋で抱いた危機感、実は怒られていた?「キレてました」【コラム】
スタッド・ランス ジャパンツアー2024がついに幕を開けた。24日のジュビロ磐田との一戦を1-1で引き分けたスタッド・ランスは、27日にJ2の清水エスパルスと対戦し、まさかの0-3の敗戦。11日間で4試合という過酷な日程とはいえ、2試合で勝利がないという状況に伊東純也も危機感を募らせている。(取材・文・元川悦子)
⚫︎「最低限の結果だった」ジュビロ磐田戦
8月18日の24-25シーズン・リーグアン開幕を3週間後に控え、日本ツアーを行っているスタッド・ランス。今年1~2月にかけて開催されたAFC アジアカップ カタール 2023の期間中の週刊誌報道で日本代表離脱を余儀なくされた伊東純也が久しぶりに国内で試合に出るということで、24日のジュビロ磐田戦(ヤマハスタジアム)からの4連戦は大いに注目されている。 彼らは22日に来日。静岡市清水区のJステップでキャンプをスタートさせ、まず磐田と激突。この試合は猛暑と時差による疲れもあり、1-1のドローに終わった。 「暑い中、前半はいい入りができたんですけど、そこから後ろで回すだけになっていい攻撃ができず、0-0で終わってしまった。後半は若い選手が入ってきて失点してしまったんですけど、1点取り返して引き分けた。最低限の結果だったと思います」と本人もスタートしてはまずまずという感触だったという。 そこから中2日で迎える27日の清水エスパルス戦(IAIスタジアム日本平)は内容・結果ともに引き上げる必要があった。今回の日本ツアーでは磐田、FC町田ゼルビア、ヴィッセル神戸を含めた4チームと戦うが、清水は唯一のJ2。かつて日本代表で共闘した乾貴士や権田修一ら盟友がいるチームだが、クラブの格を踏まえると勝たなければいけない相手だった。
⚫︎「磐田戦は難しかったけど…」
伊東と中村敬斗は2試合連続で先発。基本布陣は4-1-2-3で、伊東は右FW、中村は左FWに入った。今季から指揮を執るルカ・エスネール監督は流動的な戦いを志向。攻撃時は3バック気味になってサイドを押し上げるなど新たなトライも見せている。 伊東は右サイドバック(SB)のトマ・フォケ(32番)と過去2年間に渡ってタテ関係を形成。今回も自分が幅を取ってフォケをインナーラップさせたり、自身がFW寄りの位置に行って外を使わせるなど、臨機応変にプレーしていた。「磐田戦は若いやつ(アブドゥール・コネ=92番)が後ろだったんで難しかったけど、今回はトマだったんでやりやすさはありました」と本人も前向きに言う。 スタッド・ランス自体も彼らの右サイドを有効活用しながら攻撃を組み立てようと試みた。伊東の速さと推進力はやはり最大のストロング。新指揮官も「彼ら(伊東と中村)はスピードを持ってチャンスを作れるキープレーヤー」と重視している模様だ。 実際、伊東がボールを持ってタテに仕掛け、鋭いクロスを入れるシーンが何度か見られた。しかし、最前線のウマル・ディアキテ(22番)となかなか合わない。しかも、伊東自身がゴールに向かおうとすると、清水の吉田豊やカルリーニョス・ジュニオがしつこくマークについてくる。これに苦しみ、彼はシュートを1本も打てないまま前半を終了。チームも前半のうちにルーカス・ブラガに2得点を奪われる苦境に陥り、ハーフタイムにはエスネール監督に激怒されたという。