「県庁で農業振興の仕事を…」のはずが“まさかの”ドラフト1位候補…MAX159キロ「大学No.1右腕」愛知工大・中村優斗に感じる「アノ球団」との縁
今年もドラフト会議の季節が近づいてきた。注目選手のひとりに挙がるのが、愛知工大のエースで最速159kmを誇る大学最速右腕・中村優斗だ。昨年以降、大学ジャパンにも選出されるなど、競合も予想されるドラ1候補だが、高校時代は全くの無名。「地元で公務員に」との将来像を描いていた青年の、進化のワケとは? 《全2回の1回目/つづきを読む》 【写真で比較】「えっ、いまと全然違う…!」線の細さがまるで別人…諫早農高時代“ガリガリの中村優斗”とドラ1必至MAX159kmの現在&代表合宿での躍動感満点の投球フォームも見る(30枚超) 昨年12月の初め、松山・坊っちゃんスタジアムで行われた「侍ジャパン大学代表候補選手強化合宿」。全国から選り抜きの大学生選手が集まって、「学生ジャパン」の椅子を競う。 その紅白戦で驚いた。私だけじゃない。ネット裏にいた「みんな」が驚いた。 150キロ台が続く。151とか、152とか、そんな「150キロ台」じゃない。155、156、157……あわや「160キロ」だ。
高校時代は無名の右腕が160キロ近い速球を…!
それも「エイヤー!」の力任せではぜんぜんない。その力感で、どうしてこのスピードなんだ。理解不能な投球メカニズム。たまにスライダーをはさむだけ、ほぼ150キロ台一本でサラッと2イニング抑え込んでしまった。 愛知工業大投手・中村優斗(176cm83kg・右投左打・諫早農業高)。 高校時代に甲子園を沸かせたわけでもなく、この日初めてその勇姿を見た人も多く、なかば茫然としていたというのが、ほんとのところだったのだろう。 そんな剛球だから、愛知大学リーグ戦では2ケタ奪三振は当たり前。 走者を出すとスライダー、カットボール、フォークを交えた緩急を駆使して併殺できり抜ける技術も見せる。そんな実戦力もアピールするものだから、プロ側の評価も上昇し「1位指名重複候補」として今季4年生のシーズンを迎えた。 「自分でもまさかこんなふうになるとは思いませんでした。高校では、ほんと普通のピッチャーで。監督さんに勧められて、じゃあもうちょっとだけやるか……ぐらいの気持ちでしたから」 「野球部野球」は高校まで。そう決めていたという。
高校卒業したら「県庁に入って地元に恩返し」…のハズが?
「長崎で生まれて、長崎で育って大きくなったんで、地元に恩返ししようと思って」 中村投手の話の中には、再三「恩返し」という言葉……いや、思いが語られる。 「高校を卒業したら長崎県庁に入って、農業振興の仕事をしたいと思っていました」 地元で公務員になって、地元に恩返し――。そんな将来像を描いていた少年は、なぜ大学で160キロに迫るような剛腕へと異例の覚醒をみせたのだろうか? <次回へつづく>
(「マスクの窓から野球を見れば」安倍昌彦 = 文)
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