ED治療薬が処方箋なしで薬局販売解禁へ 価格や副作用など、3大薬「バイアグラ」「レビトラ」「シアリス」の特徴と注意点
男性特有の悩みを抱える人々に朗報だ。「処方箋不要」「ドラッグストアで買える」ED(勃起不全)治療薬が間もなく登場する見込みとなった。今後の展開から押さえておきたいED治療薬の特徴、留意すべきリスクについて専門医に聞いた。
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厚生労働省は11月、勃起不全(ED)の治療薬「タダラフィル(薬剤名:シアリス)」を、医師の処方箋なしで購入可能な「一般用医薬品(OTC)」とする検討を開始した。12月24日まで関係学会から意見を募ったうえで対応策を検討し、最終的に薬事審議会の部会がOTC化の承認を判断するという。 背景には、ED症状を自覚する日本人男性が約1400万人(日本性機能学会の23年度調査)と多いにもかかわらず、医療機関を受診して薬の服用や治療をする人が極端に少ないことがある。 ED治療を専門にするイースト駅前クリニックが男性3218人を対象に行なった意識調査(2021年)では、EDが疑われる患者は75%と高いものの、治療を受けた経験のある人はわずか16%に留まった。主な理由は「恥ずかしい」「年齢的に自然なこと」「お金がかかる」といった回答が並んだ。 厚労省に聞くと、「いまはOTC化への課題を議論する『評価検討会議』の前に意見募集している段階です」(医薬品審査管理課)とのことだが、後述する海外で加速するOTC化の流れを考えると、早期の承認に向けた議論が進みそうだ。 現在、国内で承認されているED薬は前述の「シアリス」と、「バイアグラ」、「レビトラ」の計3種類。それぞれどんな特徴があるのか。日本泌尿器科学会指導医の窪田徹矢氏(くぼたクリニック松戸五香院長)が解説する。 「いずれもPDE5阻害剤という種類の薬で、陰茎の血管を広げて血流を向上させ、勃起を助ける働きをします。違いは『服用から効き始めるまでの時間』と『効果が持続する時間』。バイアグラが服用から1時間ほどで効果を発揮するのに対し、レビトラは早ければ30分以内に効果が出ます。それらの持続時間は約4?5時間程度ですが、シアリスの場合、効き目はマイルドながら1錠(20mg)で最長36時間も持続します」