耐えがたいほど臭い…!「世界各地で愛されている」くさい食べ物ランキングで判明した「仰天の臭さ」の中身
基本調味料の「酢」「醤油」「味噌」はもちろん、「漬け物」「納豆」「鰹節」「清酒」さらには「旨味調味料」もーー。微生物を巧みに使いこなし、豊かな発酵文化を築いた日本。室町時代にはすでに麴(こうじ)を造る「種麴屋」が存在し、職人技として発酵の技術は受け継がれてきた。 【画像】まじ怖…フグの毒。カワハギの外道で有名なキタマクに、思わぬ毒をもつ新手も 実は科学の視点から現代の技術で解析を進めるにつれて、そのさまざまな製造工程がいかに理にかなったものであるか、次々に明らかになっている。発酵食品を生み出した人々の英知に改めて畏敬の念を覚えつつ、このような発酵食品について科学的な側面から可能な限り簡明に解説していく。今回は、世界各地で愛されている「くさい食べ物」から、その臭ささの秘密を探ります。
慣れないと、思わず顔を背けたくなる「臭い食べ物」
発酵食品といえば独特の風味と味わいが特徴だが、慣れないと匂いがきつくて食べにくいものも多い。とくに魚類の発酵食品には、思わず顔を背けるほど強烈な匂いを発するものがある。子供の頃から食べ慣れていれば、そういった臭さも気にならなくなるものだが、初めての人にはハードルが高い食品も数多い。 音や光のような物理的因子は機器により精密に測定することができるが、匂いや味のような化学物質は定量が難しい。辛味のように特定の化学物質に起因するものはある程度正確に定量できるが、多くの化学物質が混在する匂いを機器測定するのは原理的に無理がある。 「アラバスター(Alabaster)」とよばれる香り濃度測定装置を用いた、世界臭い食べ物ランキングが公表されている。このような装置は原理的に芳香と悪臭を区別することはできず、揮発性の強い臭い物質の数値が高く出る傾向がある。しかし、筆者のつたない経験から、このランキングはおおむね妥当と思われるので、上位の発酵食品をいくつか紹介しよう。
日本で最も臭い食べ物は?
大豆と麦から造られる醤油は香ばしい匂いがするが、魚醤はもっと生臭い匂いがする。ベトナム伝統の麺料理といえばフォーだが、味付けに使われる魚醤の匂いを消すための香草が欠かせない。 開缶直後のシュール・ストレミング 8,070Au ホンオ・フェ(韓国のエイ料理) 6,230Au エピキュアチーズ(缶詰チーズ) 1,870Au キビヤック(海燕の発酵食品) 1,370Au 焼きたてのくさや 1,267Au 鮒鮨 486Au 納豆 452Au 焼く前のくさや 447Au 中国の腐豆腐 420Au ニョクマム(魚醤) 390Au 中国には臭豆腐というものがある。野菜の汁と石灰などを混合した漬け汁に豆腐を漬け込んで作るが、酪酸菌などが繁殖して豆腐のタンパク質を分解するため、強烈な刺激臭を発する。