長崎県の「島原城跡」、築城400年の節目に「国史跡に指定」答申…島原市長「価値が認められ励みに」
文化審議会の20日の答申で、島原城跡(長崎県島原市)と越高遺跡(同県対馬市)が国の史跡に指定される見通しになった。歴史的な価値が評価され、地元の関係者には喜びが広がった。 【写真】越高遺跡から出土した炉跡(対馬市教委文化財課提供)
島原市は今年を「築城400年」と位置づけ、様々なイベントを通して島原城をPRしてきた。節目の年の締めくくりとなる朗報に、同日記者会見した古川隆三郎市長は「島原城の歴史的・文化的価値が認められ、励みになる」と歓迎した。
島原城跡は2016年、県史跡に指定された。島原市教委は国史跡指定を目指し、22年から総合調査を実施。「幕府の一国一城令以後、新規に築城された全国的にも数少ない存在」「実例が少ない1620年代の石垣構築技術の指標的存在」などと価値を訴えてきた。市教委社会教育課の中村憲一課長は「市と同じ観点から評価していただけた」と喜んだ。
越高遺跡は、対馬市北西部にある縄文時代の集落遺跡。朝鮮半島の南海岸地域で類例が見られる炉跡や隆起文土器が出土しており、朝鮮半島から渡来した人々が一定期間、定住生活を送っていたことを裏付けている。
市教委文化財課の森悠統主事は、「縄文時代のありさまや本質などを解明するうえで欠かせない重要な遺跡だ」と話した。