苫小牧中央では甲子園出場はなかったものの、最速150キロを超える大型右腕として注目を集めて2022年のドラフト1位で入団。1年目は体作り、2年目は故障の影響で二軍でもまだ勝利を挙げることができていないが、それでも昨年は最速156キロをマークするなど着実に力をつけてきている。投手としてのスケールの大きさはチーム内でもトップクラスだけに、何かきっかけをつかめば一気に飛躍することも期待できそうだ。 　中日も昨年チームで最多の投球回数を記録した小笠原慎之介（去就未定）がポスティングシステムを利用してのメジャー移籍が決定的な状況で、その穴を埋める投手の台頭が必要不可欠な状況だ。期待が大きいのがルーキーの金丸夢斗、吉田聖弥、昨年一軍で初勝利をあげた松木平優太、投手転向4年目となる根尾昂、2022年ドラフト1位の仲地礼亜などだが、大穴的な存在となりそうなのが2年目の福田幸之介だ。履正社では3年時に春夏連続で甲子園に出場。夏の大阪大会決勝では大阪桐蔭の前田悠伍（ソフトバンク）との投げ合いも制している。 　ルーキーイヤーの昨年は二軍で10試合に登板して2勝をマークし、防御率3.13とまずまずの成績を残した。まだ制球にはばらつきがあるものの、好調時の150キロを超えるストレートは勢い抜群。体格も高校卒ながらしっかりしており、長いイニングを投げられるスタミナも備えている。秋季キャンプで左脇腹を痛めて離脱したのは気がかりだが、昨年二軍の指揮を執った井上一樹新監督の期待も大きいだけに、一気にローテーション争いに加わってくることも十分期待できそうだ。 　パ・リーグでは佐々木朗希（去就未定）とメルセデス（台湾・統一）の抜けたロッテがその穴を埋める必要が出てくる。ソフトバンクからFAで獲得した石川柊太、ベテランで実績のある石川歩と唐川侑己、昨年一軍で初勝利をマークした若手の田中晴也、吉井理人監督が先発起用を明言した高野脩汰などが主な候補となるが、その争いに加わる可能性を秘めているのが2年目の木村優人だ。霞ケ浦では3年夏の茨城大会決勝で敗れて甲子園出場はなかったものの、U18W杯にも選出されてチームの優勝に貢献した。