70kmにおよぶ瀬戸内海の島々を制覇! サイクリストの聖地「しまなみ海道サイクリング」を走破してみた
サンセットビーチの黄昏がじわり心にしみる
生口橋は橋長790m、海面からの高さ35mとしまなみ海道の橋の中では低めで、両側に島が迫るため瀬戸はまるで川のよう。対岸は3島目の生口島で、北岸をたどっていきます。向かいに佐木島が近づいてくると、瀬戸田の市街へ。耕三寺の門前町でもあり、「しおまち商店街」を抜けていくと昭和の空間にタイムスリップしたような懐かしさを感じます。 高根島を向かいに眺め、再び海に面した道路に出ると、サイクリングロード屈指のマリンビューの区間へ。沿道にはパームツリーの並木が続き、南国風な風景が続いていきます。瀬戸田サンセットビーチは名の通り、夕日がすばらしい景勝地。サイクリングターミナルも設置されているので、ここで2回目の休憩に。黄昏時に差し掛かる時間なので、暮れゆく瀬戸内海の穏やかな海風景を少しばかり眺めていきましょう。
レモンの谷を駆け抜けて海の上を快走
1日目のラストスパートは、大三島を結ぶ多々羅大橋へのアプローチ。生口島は国産レモン発祥の地としても知られ、「レモン谷」と呼ばれるレモン畑を見下ろしながら、ゆるやかに上っていきます。多々羅大橋は橋長1480m、海面からの高さ48m。サイクリングコースでは最長の斜張橋で、橋から見る瀬戸内海はスケールの大きな眺め。途中に記された県境を越えて、広島県から愛媛県へと入っていきます。 4島目の大三島に入ったら、1日目は終了。多々羅大橋を渡ったところの上浦町に宿泊施設が集まっており、近海でとれた魚介を味わえる料理旅館も。地元の味覚に舌鼓を打ちつつ、ゆっくりと疲れを癒しましょう。
記念撮影がマストなサイクリストの聖地
2日目は多々羅大橋のたもとにある、多々羅しまなみ公園からスタートです。園内からは白鳥が並ぶ姿に例えられる多々羅大橋が臨め、自転車にまつわるイベントを記念した「サイクリストの聖地碑」も。サドルをイメージしたデザインで、しまなみ海道を走るサイクリストの記念撮影スポットになっています。 島の東岸を南下していくと伯方島が対岸に迫り、鼻栗瀬戸を渡る大三島橋へのアプローチへと入ります。橋長328m、海面からの高さ41mで、しまなみ海道で最初に完成した橋。唯一のアーチ橋でもあり、鼻栗瀬戸の迫力ある急流を直下に見下ろせます。製塩で有名な5島目の伯方島はわずか3kmほどの経由ながら、しまなみ造船のドックや伯方ビーチの白砂の浜など、沿道の風景は変化に富んでいます。