マンションで、企業遊休地で……「LED野菜」ビジネスに熱視線
LED(発光ダイオード)の照明を使って野菜を水耕栽培する「LED野菜工場」。最近では家庭でも簡単にハーブやレタスなどを栽培できる野菜工場キットが静かな人気になっているほか、企業でも遊休地の活用方法として野菜工場を手がけるなどLED野菜ビジネスに熱い視線が注がれています。 【写真】「お菓子」だけじゃない 多様化するオフィスの「置き食品」
マンション室内で栽培OK
旭化成ホームズは昨年10月、卓上水耕栽培キット「VEGEUNI(ベジユニ)」のインターネット販売を始めました。キットには土を使わない水耕栽培に使用する培養液やスポンジ状の培地のほか、ルッコラとバジルの種子を同封。種を水に5日ほど浸して発芽すると培地に移し、毎日12時間程度LED照明を当て、週1回培養液を取り替えるだけで、約40日後には収穫できる手軽さが特徴といいます。 本体の大きさは横幅336ミリ、奥行き150ミリ、高さ336ミリで、野菜工場というイメージからするとかなりコンパクト。コンセントがあるところならどこでも栽培でき、野菜が生育すればもぎとって料理に使えるほか、そのまま室内インテリアとしても活用できます。電気代も1か月80円程度で手軽です。 価格は2万円。旭化成ホームズでは「リーフレタスなど葉物野菜ならだいたい栽培可能。40日サイクルで作れるため、いろいろな種を次々試すという楽しみ方が多い」と話しています。当初1万セットの販売を目指しており、順調な売れ行きを示しているそうです。 また住宅・家庭用機器商社の山善もLED野菜工場の商品「お部屋畑」を2012年12月に発売。オープン価格ですが、9800円前後に設定しているとのこと。園芸に興味はあるが、マンション住まいなどで庭がなく、あきらめている人向けに開発したといいます。 家庭用LED野菜工場は部屋の中で栽培するため、虫がつきにくく、農薬を使用しないため、「食の安全」に関心の高い層に人気となっています。また、「お部屋畑」では朝起きたらLED照明をつけ、就寝時に消すといったサイクルを勧めており、マメに手入れるする時間がなくても栽培できるほか、家で作った新鮮な食材をそのまま料理に使うという姿を子供たちに見せることで、「食育」にもなりそうです。