マンションで、企業遊休地で……「LED野菜」ビジネスに熱視線
空きスペース活用して企業が栽培
一方、バス会社の奈良交通(奈良市)は2012年10月、自社ビルの3階部分にLED野菜工場「まほろば水耕園 奈良三条」を作り、水耕栽培を始めました。施設面積は約130平方メートル。レタスやサラダ菜のほか、小松菜の仲間で日本で最も古くから栽培されていたとされる「大和まな」や、「大和千筋水菜」など地元の野菜も手がけているのが特徴です。同社では「もともと自社ビルの空きスペースを有効活用するため開設した。品質のぱらつきが少なく、安定供給できる強みがある」としており、一日あたり約200株を生産し、グループ会社や地元の飲食店に供給しています。 企業の野菜栽培では、阪神電気鉄道が鉄道高架下の未利用地で栽培しているのが知られており、今年の春には生産能力の拡大を行いました。人工光を使った植物工場の5年後の市場規模は2012年と比べ約3倍に膨らむという見方も出ています。LED野菜工場は一定の広さがあれば大規模な初期投資を投じなくても手がけられることから、遊休化している不動産や工場などの有効活用に適しており、天候にも左右されにくく安定供給できることから、今後も農業関係以外の参入が増えそうです。