1983年~1994年に発売された合計8機種のG-SHOCKの公式レストアサービスを開始
2023年12月5日からG-SHOCKのレストアサービスの受付が始まった。初号機DW-5000Cにはじまる合計8機種のスクエアモデルを対象とした本サービスについて、前回の反響や再び実施することになった経緯を聞くべく、編集部はカシオのリペアセンターを訪れた。
予想以上の反響に驚くというレストアサービスの実態
–単刀直入に聞きますが、どうしてオリジンのレストアサービスを再び行うことにしたのでしょうか? 難波さん:G-SHOCKの誕生35周年のときに一度、初代モデルのレストアサービスを実施したことがすべての始まりです。このときは光成形という技術を使って対応しましたが、結果的にほぼ手作業でカバーする部分が多く、お世辞にも効率が良いとは言えませんでした。一方で、オーダー数は予想を遥かに超えていたため、「今後もレストアサービスは必要だろう」となったわけです。 –初期の定番8機種が対象ですから、古い物では製造から40年も経っていますよね。機械式時計ならまだしも、いくら頑丈とはいえG-SHOCKのようなデジタルクオーツウオッチでそれだけの反響があるとは、ユーザーの方々の物持ちの良さに驚きます。 難波さん:前回のレストアサービスを行った際にアンケートを募り、お寄せいただいた回答を読むとG-SHOCKが大切な思い出の品になっていたことがわかりました。修理を諦めていた時計がキレイになって再び使えるようになるならば、と。そういう思いからレストアサービスをご利用いただいたのでしょうね。
–コレクター目線で考えるとオリジナルの状態を保たせたいところですが、やはり1980~90年代のG-SHOCKは当時流行ったハイテクスニーカーなどと同じく、樹脂が加水分解してしまうアイテムは長期保管が極めて難しい。一方、大切な人からプレゼントされたもののような他に変え難い記憶が詰まった時計になると、その個体であることが何よりも重要になってくるのですね。その点、レストア対象のG-SHOCKであればモジュールを金属で覆っているから外側の樹脂パーツを交換すれば長く使い続けられることになる、と。 難波さん:2021年に広く一般向けに告知したオリジンのレストアサービスは、前回の反省を活かして簡易金型を起こすことにしたのです。バンドについてはメーカーさんが当時の金型をまだ保有されていたので、とても助かりました。もしバンドも金型設計していたら、どれだけコストがかかるかわかりません。その樹脂パーツですが、オーダー数がわからないから都度つどで必要数を作ることになります。