中国はどのように日本の安全保障を切り崩してくるのか…その一例をあげよう
前編記事『【スクープ!】日本の軍事拠点「馬毛島」を中国国有企業が買収しようとしていた』より続く。 【写真】文在寅の「引退後の姿」がヤバすぎる…衝撃ショットを見る!
中国は10倍の金額を提示
業を煮やした立石氏は'13年2月に安倍晋三総理(当時)宛てに嘆願書まで作成している。関係者から入手した資料には〈2006年に入り銀行からの、融資が止まり、他社への売却を要求された。その後銀行への返済が70億となる。以後資金繰りが悪化致しました〉(原文ママ)と悲惨な状況がつづられている。さらに国に対してこんな「脅し」をかけていた。 〈中国軍の東シナ海進出に対するため不沈空母の馬毛島を造成して下さい。中国では島の上陸演習をしております〉 ぼやぼやしていると中国がやってくるぞ―政府にそうプレッシャーをかけていたのだ 対中国拠点の必要性を説きながらも日に日に膨らんでいく借金。そんな窮地を見透かしたように立石氏の肩を叩いたのが中国だった。別の防衛省の関係者が明かす。 「'12年頃から立石さんに複数の中国国営企業が接触しているという話は耳にしていた。立石さん本人も『中国が10倍の値段で島を買うと言ってきている』と周囲に説明していました。つまり400億円です。あまりに浮き世離れした数字に周囲も当時は本気にはしていなかった。とはいえ、政府も中国側の動きは警戒していた」 中国筋の買収について、当時は眉唾話として真偽を測りかねていたという関係者たち。前出の馬毛島関係者もこう振り返る。 「立石氏は話を大きくするクセがあった。中国企業による島の買収提案も日本政府を急がせるカードとして使っていた懸念はあった。ただその一方で、資金ショートが迫っていた立石氏が背に腹は替えられず中国サイドに傾く可能性も否定できず、日本サイドも懸念をしていたのは確か。交渉は綱渡りの状態が続いていた」 停滞する交渉に転機が訪れたのは'19年だ。菅義偉官房長官(当時)が馬毛島の交渉役として和泉洋人補佐官を起用。離陸訓練の予定候補地の確保を急ぐアメリカ政府の意向も相まって、同年11月に政府は160億円で島の購入を決意。立石氏も最終的にはこれを飲んだ。 政府が一気に購入額を引き上げたのは、やはり中国の影がチラついていたからだ。 「政府との合意直前となる'19年夏、突然、立石氏の元に中国の弁護士らが島の売買を前提にコンタクトを取ってきていたと聞いています。日本の購入を阻止するべく中国側が動いてきた可能性が高い」(前出・防衛省関係者)