イスラエルのUNRWA禁止法 国連安保理が「解体の試みに警告」と声明
イスラエル国会が国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の国内での活動を禁止する法案を可決したことをめぐり、国連安全保障理事会は30日に報道声明を発表した。UNRWAを「解体あるいは縮小しようとする、いかなる試みにも強く警告する」と表明した。 安保理の報道声明は全15理事国の合意を必要とする。 声明ではUNRWAはパレスチナ自治区ガザ地区におけるすべての人道支援の柱だと強調し、「代替する組織は存在しない」と確認した。その上で新法に「重大な懸念」を示し、イスラエル政府に対して、ガザ全域でUNRWAによる迅速で安全な人道支援を認め、促進する責任を果たすよう強く求めた。 UNRWAのラザリーニ事務局長は29日、国連総会のヤン議長に宛てた書簡で「物理的、政治的、実務的に国連史上例のない攻撃を受けている」と強調。UNRWAの活動が止まれば、ガザの人道危機に壊滅的な影響を与え、復興の可能性も阻害されるとし、総会による「断固とした介入」が必要だと訴えた。【ニューヨーク八田浩輔】