巨人・秋広優人 2メートルパワー砲「東京ドームで活躍できるように、来季(2022年)は結果にこだわっていきたい」
異例の一軍抜擢でスタート
写真=BBM
2022年のプロ野球界に新たな風を吹き込んでくれるであろう、12球団の希望の星をピックアップする新連載インタビュー。第2回は今春キャンプで話題を独占した、巨人の200cmルーキーだ。一~三軍を経験し、ファームの四番に成長。来季は“あの”背番号を背負うことも噂される。 取材・構成=坂本匠 写真=大泉謙也、桜井ひとし、小山真司 日本人選手最高身長の200cm新人・秋広優人に関する、ビッグなニュースが飛び込んできた。まだ、正式発表ではないものの、背番号が「55」に変更される。巨人の「55」と言えば、日米通算507本塁打のスラッガー・松井秀喜(巨人、ヤンキースほか)の代名詞とも言える番号で、8年間の空白期間(準永久欠番扱い)を経て、将来の主軸候補が継承することに。現在は秋季練習で泥にまみれて白球を追う若武者に、大きな期待が寄せられている。 ――秋の教育リーグである「みやざきフェニックス・リーグ」では16試合で12安打、帰京後の二軍最後の対外試合(11月6日、対ロッテ)では4安打3打点。手応えを持った状態で、1年目のシーズンを締めくくれたのではないですか。 秋広 ヒットが出ているという点では、良かったかなと思います。でも、フェニックスに行く前、目標に「ホームラン」を挙げていたのですが、結果、1本も出なかったことには課題が残りました。11月いっぱいは練習漬けの日々が続くので、来季に向けて、そこで出た課題をクリアしていければと思っています。 ――秋季練習では金杞泰コーチ(二軍ヘッド。来季より一軍打撃)が全体練習中はもちろん、終了後も付きっ切りで、みっちりバットを振り込んでいます。 秋広 ありがたいですね。シーズンが終わったのでフォーム、形はある程度気にせずじゃないですけど、ミスショットをしてもいいので、今はとにかく強く振ることを意識しています。このオフの一番のテーマは「パワー」。まだまだ細いので、体重を増やしていくことです。ウエートをやり、バットを振り込み、しっかりと食事を摂る。シーズン中はなかなか体重を増やすことができなくて、夏場は減ってしまうこともあったので、オフを利用してしっかり増やしたいと思います。 ――高卒1年目を振り返ってください。 秋広 プロの世界を知る良い1年になったのかなと思います。高校時代は大きな大会は秋、春、夏の3つくらいしかありません。試合も土日に集中するので、毎日試合があるというのは、新鮮。野球で生活するプロを感じました。キャンプ、オープン戦にかけては早い段階で一軍も経験させてもらったり、シーズン中は三軍での時間も貴重でした。1年間ケガをせず、シーズンを完走できたことは良かったですし、技術的にもプロの変化球に対して最初のころに比べれば対応できるようになったのかなと思います。 ――春のキャンプから話題を独り占めします。二軍スタートでしたが、紅白戦で結果を残し一軍へ。高卒野手としては異例ともいえる早い時期での抜擢でした。 秋広 紅白戦、実戦形式の練習は、「想像以上に打てちゃった」というほうが正しいのかもしれないです。一軍に呼ばれるとは思ってもいなくて、すごく、不思議な感覚というか。プロに入ってすぐ、小さいときからテレビで見ていた人たちとプレーできたこともそう。初日の練習から楽しかった記憶しかないです。それに、紅白戦でヒットを打ったら翌日スポーツ紙の一面なので、ジャイアンツのすごさも感じました。宮崎での(1次)キャンプの後半から呼んでもらって、そこからは必死にアピール。最初の印象が大事だと思いましたので。「打てちゃった」のかもしれないですけど、それでも、立て続けにヒットが出た、アピールできたというのは、良かったかなと思います。 ――オープン戦が始まり相手のチームも主力クラスが出てくる中で、徐々に当たりが消えていきます(オープン戦は25打数5安打の打率.200)。 秋広 今振り返ってみると、この段階での自分は・・・
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週刊ベースボール