富士入山料3000~5000円の3案浮上 静岡県検討 夜間規制はルート別に設定
静岡県が来夏から導入を検討している富士山の登山規制条例について、1人千円を任意徴収してきた富士山保全協力金を廃止し、新たに徴収を義務化する入山管理料として3千円、4千円、5千円の3案を検討していることが18日までの関係者への取材で分かった。夜間の入山規制の開始時間は登山の所要時間に応じて設定し、最長の御殿場ルートは、最短の富士宮ルートに比べ3時間前倒しする考え。21日に開催される地元関係者との会議で原案を示し、意見を集約する。条例改正を検討する山梨県とも歩調を合わせる。 県は、山梨県が条例によって今夏に通行料を義務化し、山小屋宿泊予約をしている人を除いて午後4時以降の入山を禁止したことが弾丸登山抑制などに一定の効果を示したと判断し、本県側3ルート(富士宮、御殿場、須走)でも、入山料徴収などを盛り込んだ条例の制定を検討している。10月には現地調査も行った。 関係者によると、本県側の条例案は、登山者に対して入山管理料の納付や夜間入山時の山小屋予約、安全登山のルール・マナーの事前学習修了などの入山条件を課す見通し。 入山管理料については、料金徴収や夜間入山規制を行うための整備費や人件費などの管理コストを算出した上で、管理運営費のみとした場合を3千円、安全対策や保全管理費を含めた場合を4千円、それ以外に使途を拡大した場合は5千円とする3案が浮上している。全ルート同一料金の適用を想定している。 富士宮ルートの5合目登山道入り口、御殿場ルートの新5合目上の山小屋「大石茶屋」西側、須走ルート5合目登山道入り口付近に入山規制のチェックポイントを設ける。夜間規制時間は、今夏と同じ時間を想定した場合、登山所要時間を5時間と見込む富士宮を午後4時から、6時間とされる須走は午後3時から、8時間の御殿場は午後1時からとする方向。 今夏の実績を踏まえて山梨県でも、通行料の増額や夜間規制の開始時間前倒しを検討していて、静岡、山梨両県の足並みをそろえるため、調整を図る見通し。
静岡新聞社