【全文】BBC日本語版開設(中)「ソーシャルがニュースの編成に影響力」
今の視聴者は参画意識が高くなっている(イーガン)
加藤:まさにそのことを、先に弊社のCEOに聞きますけども、回転ずしじゃない、インスタントすしじゃ。インスタントって失礼か。お手軽ではない、マスターシェフがいる古くさい報道機関の代表格というのがBBCと、たぶん世間は思われていると思うんです。決してそんなことないんですよ。でも思われていると思うんですが、それの親分として、どうですか。ジムのキーワードは「DEMANDING」、お客さんの要求が高いっていうのと絡むと思うんですけれども、それはマスターシェフのすごく手の込んだ料理ではなくて。 田端:回転ずしの例えがあれよね。もうちょっと美しい言葉で抽象的に、アンバンドリング。 加藤:いや、別に美しくしなくても。 田端:アンバンドリングと、ちょっと頭悪そうなんで(笑)。アンバンドリングとフラグメンテーションだと思ってます。 イーガン:この、非常に要求が高いということは、すしレストランというよりは、面白くない比喩かも分かりませんけれども、しかし、同じことを申し上げていると思います。まず、ニュース源というのが非常に多様化しておりまして、非常に選択肢があると。十分に品質の高いニュースが提供できなければ、視聴者はどこかへ行ってしまうということで、BBCはイノベーションにコミットしているわけです。それ故に、です。BBCは、ラジオからテレビへ、そしてオンラインへとどんどんここ、変革してきたわけでありまして、過去5年間、視聴者の変化に対してちゃんと対応していきませんと、非常にレストランと同じように破産してしまうかも分かりません。 このDEMANDINGであると、要求が高いということについて重要な点を申し上げたいと思います。つまりは、視聴者はこちら側が提供していることだけではもう満足してはくれなくなっている。ニュースの、視聴者っていうのは参画意識が高くなっておりまして、そしてまた、非常にトップダウンの形でニュースが提供されるのではなく、非常に興味深く、参画の機会を与えるような形でのニュースの提供の仕方を求めておりますし、また、説明責任を求めております。今の世の中では、組織が提供するニュースだけでは満足できない。それだけは信じないというのが視聴者の立場であるわけでありまして、ソーシャルメディアなどを通じて、政治家だけではなく、ニュースを提供する組織というのはやはり提供されるニュースに対して説明責任を果たしていかなければならないということであります。 通訳:Jim, do you like. イーガン:簡単に言うと、イエスです。好きです。ただ、BBCのように、やはりすしっていうのは非常に体には良いということで、好きです。