トヨタとパナ、街づくり事業で協業(全文1)デベロップメントとテクノロジーの融合
トヨタ自動車とパナソニックは9日午前に開いた記者会見で、街づくり事業に関する合弁会社設立のための契約を締結したと発表した。 【動画】トヨタとパナソニックが協業について記者会見(2019年5月9日) ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「トヨタとパナソニックが協業について記者会見(2019年5月9日)」に対応しております。 ◇ ◇
登壇者の紹介
司会:本日はご多用の中お越しいただき、誠にありがとうございます。ただ今よりパナソニック株式会社、トヨタ自動車株式会社、共同記者会見を開始いたします。本日の登壇者を紹介いたします。トヨタ自動車株式会社執行役員、白柳正義でございます。パナソニック株式会社専務執行役員、北野亮でございます。 続きまして、本日の進行について説明いたします。まず最初に、トヨタ自動車株式会社、白柳より、今回の共同記者会見の概要について説明し、引き続き、パナソニック株式会社、北野より、全体の戦略について説明いたします。そのあと質疑応答、フォトセッションの順で進めてまいります。 それでは白柳さん、よろしくお願いいたします。
記者会見の概要説明
白柳:本日は大変お忙しい中お集まりいただきまして、本当にありがとうございます。トヨタ自動車の白柳でございます。昨日、弊社の決算発表で社長の豊田のほうから、これからは人々の暮らしを支える全ての物・サービスが情報でつながっていくコネクテッドシティ、この発想でビジネスを考えていくということが必要になるということを申し上げました。 本日、これから説明をさせていただく、街づくり事業に関する合弁会社の設立は、まさにそのコネクテッドシティをパナソニックさまと共同で実現するためのものでございます。私から、本合弁会社設立に至った背景、および設立の目的についてご説明をいたします。 まずは合弁会社設立の背景についてご説明をいたします。街づくりの歴史を振り返りますと、街はその時々の交通手段に大きな影響を受けてきたことが分かります。例えば江戸時代までは主要交通機関が水運でしたから、海上交通や水運の要衝が発展をしました。 高度成長期にかけて鉄道網が発達すると、鉄道沿線や駅周辺に住宅地が形成されました。私鉄沿線の郊外にニュータウンが開発されたのも、このころであります。モータリゼーションが到来すると、郊外や幹線道路沿いに商業集積が発生し、郊外型のショッピングセンターやバイパス沿いの店舗が造られました。 そして現在、もう一度、人々の移動手段に大きな変化が訪れようとしております。それは、自動運転などのテクノロジーの高度化であります。人々の移動手段が変わることで、街の在り方も再び大きく変化する可能性があります。 では、テクノロジーの高度化により、街はどのように変化するのでしょうか。これまでの住む場所選びは、駅や都心に近くて、便利だけど狭い、あるいは駅や都心からは遠いけれども広いといったように、快適さと便利のどちらかを犠牲にしなければなりませんでした。ところが、これからはテクノロジーの高度化が快適と便利の両立を可能にします。 これまでは利便性の悪い場所であっても、通信の発達により、わざわざオフィスに行く必要はありません。モビリティサービスの発達により、移動も自由になります。買い物も、近くに店がなくても家までお届けが当たり前になるかもしれません。豊かな自然環境に囲まれ、広々とした住まいに住みながら便利さも享受できる、そんな街を実現できる日が近づいているというふうに考えています。