J最多3度目Vの広島・森保監督が日本人代表監督最有力候補に浮上!
第2戦では采配面でも、同世代のライバル、G大阪の長谷川健太監督を凌駕した。後半アディショナルタイムに2ゴールをあげる奇跡の逆転劇で、敵地での第1戦を制してから中2日。森保監督は、キックオフ前のミーティングで、G大阪の圧力にさらされる展開を踏まえたうえでこんな指示を与えている。 「何が起こったとしても、すべてが現実だ。思い通りにいかないときは、しっかりと耐えていくことで流れをもってこられる」 逆転優勝へ2点差以上の勝利が求められたG大阪は、予想通り序盤から圧力をかけてきた。キャプテンのMF遠藤保仁が操る右CKから、MF今野泰幸が先制ゴールを叩き込んだのは前半27分。この時点でCKが5本を数えたことからも、いかにガンバが押し込んでいたかがわかる。 それでも広島が浮き足立たなかったのは、森保監督によるマネジメントが徹底されていたからだ。引き気味になってもかまわない。体を張り、泥臭く守ってカウンターで対抗する。再び膠着状態に陥った展開で、森保監督は次の一手を思い巡らせていた。 「圧力を受け続けるだけだと、試合をもっていかれてしまう」 だからといって、先に動けば守備のリズムを崩しかねない。G大阪が最初の交代カードを切ったのは後半12分。MF大森晃太郎に代わってMF倉田秋が投入されたのと同時に、待っていましたと森保監督はFW佐藤寿人に代わってFW浅野拓真を投入した。 「ガンバさんが2点目を取るためにさらに圧力をかけてきたところで、受けるのではなく点を取りにいくんだというメッセージを伝えるために、よりフレッシュな(浅野)拓磨を投入しました」 G大阪がFW長沢駿に代えて、FWパトリックを投入した後半19分も然り。広島はすぐさまMFミキッチに代えて、第1戦のヒーロー柏好文を投入する。 まるでチェスのような心理戦が交錯する選手交代。実は倉田の投入とともに宇佐美貴史が左サイドへ回っていて、それを見越した森保監督は縦に速い柏を宇佐美の対面に置いた。 「(宇佐美が)守備はできないと森保監督が判断して(柏を)入れたのではと思いますけど、追いかけるチームが先に動いたときにチャンスもあればピンチも生まれる。そこは勝負のあやだと思っています」