J最多3度目Vの広島・森保監督が日本人代表監督最有力候補に浮上!
万感の思いを募らせながら、濃紺のスーツの上に特製の優勝Tシャツを重ね着した指揮官が宙を舞う。 5日に行われたJリーグチャンピオンシップ決勝の第2戦。サンフレッチェ広島(年間勝ち点1位・セカンドステージ優勝)はガンバ大阪(年間勝ち点3位)と1対1で引き分け、第1戦との合計スコアを4対3として2年ぶり3度目となる年間王者に輝いた。 7度も胴上げされた47歳の森保一監督は、就任4年目で実に3度目のJ1制覇を達成。鹿島アントラーズを3連覇に導いたオズワルド・オリヴェイラ監督と並び、日本人監督では松木安太郎氏(当時ヴェルディ川崎)、岡田武史氏(当時横浜F・マリノス)の2度を抜いて堂々のトップに立った。 「3回目の優勝をできた喜びというものはもちろんありますけど、僕一人だけで成し遂げた優勝ではありません。選手とスタッフが一丸となって勝ち取ったものですし、クラブの勝利、みんなの勲章です」 表彰式後の記者会見で謙遜した森保監督だが、日本サッカー史上に残る実績を残したことで、この先、日本代表監督を日本人に任せる場合の最有力候補として急浮上してきた。 1993年以降の日本代表監督を見ると、10人のうち8人が外国人監督。2度目の登板を果たした岡田氏以降は、ハリルホジッチ監督まで3人連続で外国人指揮官が招聘されてきたが、日本サッカー協会は日本人監督就任の可能性を否定していない。ザッケローニ元監督からアギーレ前監督に交代した昨年8月は、日本人監督に関しては「まだ機は熟していない」とされた。アギーレ氏が八百長騒動で電撃辞任した今年2月には、Jリーグの開幕直前というタイミングもあって、Jクラブの監督がまず候補から外れた。 活動できる期間が短いことを考えれば、その国の選手の特徴や風習を熟知し、共通の言語でコミュニケーションが図れる代表監督がベストとなる。W杯を振り返れば、歴代優勝国はすべて自国の監督だった。 日本人が候補となるのに足りないのは、周囲を納得させる結果だった。その意味で森保監督のもとで達成された3度目のJ1制覇は、毎年のように主力を引き抜かれるなかで攻守のバランスを右肩上がりで進化させてきたチーム作りを含めて、十分に評価されて然るべきだろう。