競馬・新春の大予想! 3歳牡馬クラシック――皐月賞、ダービーで戴冠を遂げるのは?
坂本達洋記者(スポーツ報知) ◆皐月賞=ヴィンセンシオ(牡3歳/父リアルスティール)◆ダービー=レイニング(牡3歳/父サートゥルナーリア) デビュー2連勝で1勝クラスの葉牡丹賞(2024年11月30日/中山・芝2000m)を制したヴィンセンシオは、中山向きなイメージと勝負根性を評価しました。 新馬戦(2024年8月31日/新潟・芝2000m)では、一度は2着馬に前へ出られながら、もうひと伸びして差しかえしました。その勝負根性が大きな魅力。皐月賞と同じ舞台だった前走も、馬群の内でじっくりと構えて、直線では力強い伸び脚を繰り出して、外から迫る2頭を抜かせませんでした。 その前走は中身の濃いレースぶりで、後続にハナ、アタマ差という着差以上の強さを感じました。なにせペースが流れたとはいえ、中山・芝2000mの2歳コースレコードをコンマ1秒更新。1分58秒8という勝ち時計は大いに評価していいでしょう。 その結果を受けて、デビュー前から同馬の馬っぷりのよさを絶賛していた森一誠調教師も、「この馬の持ち味が生きたレース」と振り返って、「クラシック路線への展望が開けた」とトーンは高まるばかりでした。 距離は2000m以上あってもよさそうで、立ち回りのうまさ、さらには祖母に名牝シーザリオを持つ血統の底力にもかけたいと思います。 さて、来年の春に定年を迎える国枝栄調教師にとって、今年がラストクラシック。悲願の牡馬クラシック制覇を狙って、管理馬にはかなりの良血馬がそろっていますが、なかでも推奨したいのはレイニング。1戦1勝と実績的には目立ちませんが、秘める素質の高さから"先物買い"して損はない馬だと思います。 新馬戦(2024年11月3日/東京・芝1800m)は、前半1000m通過1分4秒2という超スローペースの流れのなか、直線ではヨーイドンのキレ味勝負で鋭く差しきりました。自身の上がりは、レース全体の上がり(33秒5)をコンマ6秒も上回る32秒9。大器の片りんが見えた、と言っても過言ではないでしょう。 昨年末の取材で、国枝調教師が「コントロールが利いていて、(今年の2歳勢のなかで)競馬の立ち回りは一番いい」とセンスのよさを評価すれば、厩舎の番頭格・鈴木勝美助手も「最初はケイコで動かなかったけど、ガラッと変わってきたね。(ゴーサインを出して)体がグンと沈むし、これからどんどん変わってくると思うよ」と、素材のよさに目を細めていました。 母クルミナルは2015年の桜花賞2着、オークス3着と牝馬クラシックで活躍し、祖母クルソラはアルゼンチンのGI馬。血統のよさは折り紙付きで、距離が延びてもよさそうなのもプラス要素です。 (つづく)◆皐月賞、ダービーの勝ち馬はいかに!? 大本命クロワデュノールを脅かす存在はいるのか>>