大勝の森保ジャパン、派手なゴールショーもバーレーンは強かった。大きな勝因は? 突破口を切り開いたのは守田英正
流れを変えた日本の即興に近い変化
そして34分。南野のポストプレーからライン間に潜った守田がフリーで受け、浮き球のパス。これははね返されたが、こぼれ球を拾った遠藤航から、逆サイドへ流れていた鎌田へスルーパスが通る。フリーの鎌田が背後を取って、クロスへ。 この辺りの時間帯、初めてバーレーンの守備が混乱していた。守田がライン間へ潜る動きも、鎌田が大外に開いたり、背後へ出たり、逆サイドへ流れて行く動きも、そのすべてがマンツーマン意識の相手ダブルボランチを破綻させ、フリーになり、相手の守備が崩れ始めた。 最後にハンドでPKを得たのは幸運もある。しかし、日本が意図して攻撃に変化をつけ、それが実を結んだのも事実だった。 そして、この即興に近い変化を、後半は整理した。遠藤と守田は縦関係に。さらにライン間に潜った守田らがボールを受けて相手を横圧縮させた後に、サイドでスペースを得たウイングの強みが出るよう、堂安律から伊東純也へ交代。この采配が、試合を決定付ける47分の追加点、上田綺世のゴールにつながった。 2-0とリードを広げ、緊迫から解き放たれた日本は、ボール回しに余裕が出た。逆に緊張の糸が切れたバーレーンは守備がズルズルに。良い緩みと悪い緩みが同時に表れた試合は、5-0まで差が広がった。 この点差から受ける印象ほど、楽な試合ではなかったと思う。先制した時間帯の日本の即興的な変化は、結果的にうまくいったが、カウンターを受けるリスクもあった。しかし、そのリスクを、日本は集中した切り替えの鋭さで封じ込めたし、PKを奪った場面も2点目の場面も、起点となったのは、遠藤や南野の鋭いボール回収だった。 派手なゴールショーも、巧みな戦術変化も映えた試合だ。しかし、何より大きな勝因は、攻守の切り替えにおける準備と集中に違いない。それがこのチームの生命線。来月、サウジアラビアやオーストラリアとの決戦を迎えるうえでも、キーポイントになるはずだ。 取材・文●清水英斗(サッカーライター)
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