【独自特集】妻は臨月、息子は2歳「早く帰ってやりたい」 戦後のイラク復興支援の最中、凶弾に倒れた外交官 命を懸けて取り組んだ平和実現への願いとその軌跡
井ノ上書記官の命日11月29日近くになると、毎年、上長飯小学校では校長先生が井ノ上書記官の功績を振り返りながら、平和の尊さに思いをはせる平和学習が行われます。井ノ上書記官について、後輩たちに聞くとー 小学校5年生 西ケ野美都さん 「思いやりがあって行動力がある人だと感じました」 小学校5年生 池口泰樹さん 「外国に行って困っている人を助ける、素晴らしいなと思いました」 小学校時代の同級生 塩満史子さん 「昔からじっとしているタイプではないと思うんです。困っている人がいると“自分でなんとかしなければ”という熱い正義感がある人でした」 井ノ上書記官が命をかけ貫いた平和への願いは、いまも受け継がれています。
「これからの未来が今より少しでも平和に…」20年を経た遺族の思い
(井ノ上書記官の姉の手記) Q.どのような子供でしたか? 「ひと言でいうと、誰にでも優しい子。明るく元気な普通の子どもでしたが、空手や、アマチュア無線など興味を持ったことには一生懸命に取り組む子供だったと思います」 Q.事件から20年を迎えて 「過ぎてみるとあっという間でしたが、当時はニュースや新聞で事件が取り上げられる度に色んな感情が込み上げ、涙することも多かったです。悲しく辛い思いをしましたが、弟を想う気持ちが、前を向いて明るく過ごせる今に繋がりました。弟が亡くなってから、彼が多くの方々に慕われていたと知れたことには、私たち家族にとって大きな慰めになったと感じています。20年という長い年月が経った今も、忘れずに心を寄せて下さる方々に感謝の気持ちでいっぱいです」 Q.正盛さんについて、今考えること 「今も世界中で争いが絶えず、私達以上につらく悲しい思いをもたれている方が世界中にたくさんいらっしゃることは、本当に残念で悲しいことです。今の子供達に、自分の命を大切にして欲しいです。自分以外の人のことも大切に相手を尊重できる人になって欲しいです。そして、お互いに足りないものや弱りところを補い、助け合える人に育って欲しいと思います。これからの未来が、今より少しでも平和な世界になることを祈っています」 (ウェークアップ 2023年12月2日放送)