薄板3品3月末在庫、8万トン増の414万トン。3カ月連続増・車減産など影響
3月末の薄板3品国内在庫(メーカー・問屋・コイルセンター、速報ベース)は、2月末比8万1千トン増の414万2千トンだった。増加は3カ月連続。例年パターンでは3月は減少傾向となるが、今回は年始の能登半島地震や自動車メーカー減産等の瞬間的な需要(活動)減により、鉄鋼メーカー側の生産調整が追い付かず、2月に引き続き一過的に流通在庫が増加したものとみられる。 3月末在庫の内訳は、メーカー在庫が前月(2月)比2千トン減の169万トン、問屋在庫が3万9千トン増の92万7千トン、コイルセンター在庫が4万4千トン増の152万6千トンだった。 品種別在庫数量は熱延が前月比1万8千トン増の200万2千トン、冷延が1万4千トン増の85万3千トン、表面処理が4万9千トン増の128万7千トンだった。 また在庫を同月の生産量で割った3月の在庫率は2・93カ月となり、2月(2・84カ月)比で上昇した。品種別在庫率は、熱延3・43カ月(2月は3・06月)、冷延3・18カ月(同3・22カ月)、表面処理2・30カ月(同2・37カ月)だった。 今後の動向としては、4月は例年パターンでは減少する見込みであり、メーカー側も需要見合いの生産を継続すると想定されるため、メーカーでは「在庫減少トレンドに戻るかどうか引き続き注視していく」としている。なお、4月の過去10年平均の減少幅は2万9千トンとなっている。