年収だけで「家の購入額」を決めるのは危険…必ず知っておくべき〈住宅ローン〉で”無理なく完済できる”月々の支払額、“やってはいけない”返済方法
マイホームを購入する際、高額なキャッシュが必要になるため、住宅ローンを組むのが一般的です。数十年に渡るローンを無理なく返済していくために、守るべき「4つのルール」があるといいます。千日太郎氏の著書『マンガでわかる 不動産屋が絶対に教えてくれない「最高の家」の買い方』(扶桑社)より、詳しく見ていきましょう。 【早見表】3,000万円30年返済の住宅ローン…金利差による利息分
無理なく完済できる住宅ローン4大ルール
「今の自分の収入で、いったい自分はどれくらいの価格の家が買えるのか」ということが気になるとは思いますが、実は単純に年収だけでは判断がつかないのです。 これから、無理なく完済できる住宅ローンの4つのルールをご紹介します。このルールを知ることで、「人生のプロジェクト」として自分が将来も見越して払うことのできるだいたいの金額を計算することができるようになります。ルールは次の4つになります。 ルール1:毎月の返済は「手取り月収の4割以下でボーナス払いなし」 ルール2:返済額が一定になる「元利均等返済方式」 ルール3:シミュレーションの金利は「固定金利」 ルール4:定年時のローン残高は「1,000万円以下」 不動産会社のチラシやネット広告で書かれている家の価格は、お客を来店させるまでの「オトリ」です。それを踏まえて、これら4つのルールを知ったうえでシミュレーションすれば、家の本当の価格がわかり、自分の買える家の価格もわかってくるのです。
毎月の返済は「手取り月収の4割以下でボーナス払いなし」
住宅ローンを無理なく返済していくには、自分に適した「返済負担率」を認識することが大切です。 住宅ローンの「返済負担率」とは、税込み収入に占める1年間の返済総額の割合のことです。これは「返済負担率=1年間の返済総額÷額面年収×100」という計算式で求めることができます。民間金融機関で住宅ローンの審査を受ける場合、この計算式によって導き出された返済負担率の上限はだいたい35~45%以内が多くなっています。 ただし、この数値はあくまで上限だということを覚えておいてください。年収の高い人なら返済負担率が高くても返済することができますが、平均的な年収の人が45%もの返済負担率の住宅ローンを組むことはかなり危険です。 そして、この返済負担率の導き出し方は、ボーナス込みの「額面年収」での計算式になります。住宅ローンの支払いは月ごとになるので、社会保障や年金などを差し引いた「手取り月収」をベースに判断することが賢明です。ですので、私は毎月の返済額を「手取り月収の4割以下」にすることをオススメしています。 それでも月々の支払いが厳しいという人もいるかもしれませんが、今後収入が上がっていくことが見込まれているなら、4割まで設定してもいいと思います。
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