JAXA、「イプシロンS」爆発で原因調査チームを設置–再試験で2回目の爆発
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は開発する小型の固体燃料ロケット「イプシロンS」の試験で発生した2回目の爆発事故を受けて11月26日付で原因調査チームを設置した。11月27日に発表した。 爆発事故は、種子島宇宙センターで実施した第2段モーター再地上燃焼試験で発生。試験は、能代ロケット実験場(秋田県能代市)で2023年7月に実施した第2段モーター地上燃焼試験で起きた爆発事故に対策を講じて挑んだ、再挑戦となった。 2回目の燃焼試験で再び爆発した事態を重く受け止め、JAXAとしてより確実に対応するため、調査チームを設置して、原因調査と対策検討に着手した。調査チームのトップは、宇宙輸送技術部門長でもある理事の岡田匡史氏が務める。調査チームには経営担当理事なども加わる。 イプシロンSは小型化する衛星の打ち上げ需要に対応するため、2020年3月から開発を開始した。2024年度内の実証機打ち上げを目指していたが、今回の爆発事故を受けて、目標としていた年度内の実証機打ち上げは厳しくなった。 イプシロンSがめざす貨物(ペイロード)打ち上げ性能は、高度350~700kmの太陽同期軌道(SSO)に600kg以上、高度500kmの地球低軌道(LEO)に1400kg以上。小型衛星や超小型衛星など複数の衛星を軌道に投入できることも特徴と説明。すでに実運用している大型の液体燃料ロケット「H3」とのシナジー効果で国際競争力の強化を狙っている。
UchuBizスタッフ